“雪” と “熊笹” |
さすがにこの寒さ、私は、ジャンパーの下にセーターを着て、スニーカーではなくブーツを履き、手には手袋をして、まっしろになった千歳山に向った。
登山口の大鳥居をくぐり、まずたどり着いた稲荷神社も、白いシートにくるまれて冬支度。自分の健康に感謝しながら、手袋を外し神社に向って手を合わせ、更に山頂を目指した。
樹木の枝に積もった雪もだんだんと融け出して、雨空ではないのにも関わらず、登山道にはまるで小雨のように・・ポツポツポツ・・と降り注ぎ、帽子を持たなかった私は、思わずジャンパーについているフードを取り出した。
一週間前とは又違った山の風景を楽しみながら、私はようやく7合目あたりに差し掛かった時、ひたすら自分の足元を見詰めながらゆっくりと登り続ける、“何時ものおじさん”に追いついた。(下の写真の人)
あれから八ヶ月あまり、この登山道でもう何度出会っているだろうか、彼のその足取りは以前とあまり変わってはいないが・・でも以前よりもしっかりと地面を踏みしめ、坦々と登り続けるその姿に、私は昨日又も出会ったのだった。私は彼の横を通り過ぎながら「こんにちは・・!」と声を掛け、低い声で「あぁ~・・こんにちは!」という何時もの彼の声を背中で聞きながら、融けた雪でぐしょぐしょになった道を又ひたすら登り続けた。
冬を迎えすっかり少なくなった登山客だが、たどり着いた山頂の展望台には、吹き込み積もった雪を踏みしめるたくさんの足跡が残っていた(左)。山頂から望む下界の景色も、カラフルな屋根を白く染めた雪によって、何故かセピア色に見える。
下山途中の私の足元に、この熊笹の緑と、薄く積もった雪の白がとてもお似合いで・・綺麗だ・・と思い、思わずデジカメ。