私が一年前から千歳山登山を続けるようになったのは、この日のためだったのだが、今年もそんな季節がやってきた。民家がすっぽりと埋まってしまうほどの豪雪地「大井沢」に実家を持つ友人の案内で、昨日はいつものメンバーに3人が加わり、そんな友人6人で大井沢の山に向った。途中、何時もなら朝日連峰の真っ白な残雪と空の青さとのコントラストの美しさに魅了されるのだが、時々太陽は覗くものの、遠くの山並みは曇に阻まれてしまった。それでも、新緑の緑の色も深さを増し、寒河江川上流の根子川を流れ落ちる透き通った“雪しろ”の冷たさも感じながら「綺麗だぁ~・・素晴らしい・・!」と、途中暫し車を止めその光景に溶け込んでみた。(写真)
車を止め、私たちは山に入る準備を整え早速登り始めた。千歳山登山のお陰で私の体は息を切らすこともなく、大井沢の大自然を上へ上へとひたすら登りながらも余裕を持って味わうことが出来た。登り始めて約一時間、ようやく山菜の恵みと対面。“こごみ”にはちょっと遅かったようだが、私たちは何と“うど”の群生に出くわし、その光景に私は思わずデジカメ(写真)。その他にも“あいこ”・“たらの芽”・・・などなど、腰に下げた「はけご」は、そんな山の恵みでずっしりと重くなった。そして、なんと美味しいことだろうか!・・途中、小さな沢を流れる冷たい水で体を潤し、そして大木の根元に腰を掛け背負ってきたおにぎりを頬張った。
(左、カエルの卵。中央は道端に咲いた“ミズバショウ”。右は二輪草)
途中のブナの大木に熊の爪跡を発見したり、窪地に雪どけ水が大きな水溜りをつくり、そこに繭にも似たカエルの卵を発見したりと、この大自然に生きる逞しい生物の痕跡に、いま山に潜り込んでいる自分も同じ生物だったのだ・・と気づかされる。
ほどよくして山を降りた私たちに、もしかしたら・・・?と、大井沢の友人が、“ミズバショウ”の群生地
に案内してくれた。残念ながら少々遅かったようで、それでも大きく育った“ミズバショウ”の緑の葉に圧倒されながら、可憐に咲き尽くしている“ミズバショウ”の美しさを想像してみた。(下の写真)
そして私たちは、新聞紙の上に山になった山菜を六等分。
夕方、自宅に帰った私は、この瞬間を一年間待ちわびていた・・!。
どんな食材にも勝る“うど”の一本揚げ!。
美味い・・!、この食感と山の香り!
・・何と美しい食べ物なのだろうか。
私は、冷え切ったビールとともに、このたくさんの新鮮な山の恵みに・・・
暫くの間・・舌鼓を打つ!