"政教分離"・・とは! |
「憲法二十条には、『いかなる宗教団体も、国からの特権を受け、または政治上の権力を行使して
はならない』とあるが、宗教が政治権力を握って、 特定の宗教団体のために政治権力を使うことも、この憲法二十条の『政教分離』に反すると考えるが、法制局長官に見解を聞きたい」
宮崎内閣法制局長官、
「ここにいう『政治上の権力』とは、国または地方公共団体に独占されている統治的権力をいう」
菅議員
「統治的な権力を使うことはダメだということは、今の見解からも明らかになった。1990年にオウム真理教の麻原彰晃師を党首とする真理党が結成され、東京を中心に、25名の衆議院議員候補が立候補した。幸いにして全員落選したが、もし、真理党が多数を占め、権力を握り、政治権力を使ってオウムの教えを広めようとした場合、これは当然、憲法二十条の政教分離の原則に反すると考えるが、いかがか」
宮崎長官
「今、お尋ねのようなことは、まさに宗教団体が統治的権力を行使する、ということにあたるだろうと思う。それは違憲になるだろうと思う」
麻生総理
「今、法制局長官が答弁をされたのが基本的な考え方だと、私もそう思う」
これは、2008年10月7日、衆議院予算委員会の議事録の一部だ。(ネットから。)
つまり、内閣法制局長官と内閣総理大臣が共に、「宗教団体によって結成された政党が政治権力を握り、それを使って教義を広めようとすれば、憲法二十条の政教分離の原則に反する」と、明確に認める判断を示したのだ。
今日のブログに、いきなりこんな小難しそうな議事録から始めたのは、私は以前からちょっと気になっていることがあった。(下:ネットから)
会見によれば、大川総裁自身は政治団体の運営にはかかわらず、出馬もしないが、支持母体のトップとして支援し、妻である”大川きょう子”氏が「党首代行」として、都内の小選挙区から出馬予定なのだという。
そして、にわかには信じがたいが、1995年に、この「幸福の科学」の信者数が1000万人を突破したと公表していたと知った。それ以降、教団は信者数に関する情報を公には公表していないために、正確なその後の信者数は不詳ではある。
(左は、先日朝日新聞の一面を割いて出された「幸福実現党」の広告。)
日本における政教分離原則は、1945年、当時日本を占領していたアメリカを中心とする連合国総司令部(GHQ)が日本国政府に対して、神道を国家から分離するように命じた”神道指令”がその始まりだった。勿論、その政教分離原則と言うものは、政府がその権力を利用して、特定の宗教を保護・促進・強制・排除・迫害…等々をしてはならない、というものであり、創価学会を支持母体とする「公明党」のように、宗教団体の政治参加を禁じたものではないことは私も承知している。
そして、政治と宗教と言えば、あのオウム真理教が「真理党」を結成、「♪ ショウコー・・ショウコー・・ショウコー・・・・ショウコー・・あさはらショウコー!」と、あの耳に残る掛け声で街頭に立ち、国政に進出しようとして失敗。その後、松本サリン事件や地下鉄サリン事件を引き起こす。それに、公明党元委員長の”矢野絢也”氏が、支持母体の創価学会から、政治評論家としての活動を妨害され、人権を侵害されたとして、自ら創価学会を脱会し、訴訟に踏み切ったこと(係争中で結論は出ていない。)など・・・そんな記憶もまだ古くはない。
世界で国家と宗教が結びつく・・というのは、決して珍しいことではないことや、勿論、公明党と創価学会の関係や、この「幸福の科学」を、決して「オウム真理教」と同一に見ているのではない。
・・・・・・ただ、
日本国憲法/第3章 国民の権利及び義務
第20条〔信教の自由〕
1 信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。
いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。
2 何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。
3 国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。
政治が宗教を、宗教が政治を・・・というこの政教分離原則は、「創価学会」やこの「幸福の科学」に限らず堅く守られなければならない。・・・でなければ憲法違反になるのは勿論だが、それに何よりも・・・自宅に仏壇と神棚を持ち、クリスマスを楽しんで・・そして正月には初詣にと神社に駆けつける・・・そうしたいろいろな宗教を器用に受け入れるこの国日本には、ある特定の宗教が国の統一を果す・・などとは、日本人には決してなじまないのだから。
衆議院議員の任期満了まであと三ヶ月と迫ってきた昨今、次期総選挙に向け各党やこんな宗教団体の動きが気になりだした。