良向寺文殊堂・・その美しき”あじさい参道”・・だが |
千歳山の稲荷神社の掲示板に書かれたこんな言葉も、今の私には何故かむなしく聞こえてしまう。
「彼は、どうして山で死んだんだ・・!。」と、私は頭の中で何度も繰り返しながら・・トツトツ・トツトツと、登山道を一歩づつ足を運び登山を続けた。先日、蔵王で転落死してしまったあの二人のことを又思い出し、そのショックから立ち直れない私だが、今も、いつもと変わらずに千歳山山頂を目指し登山を繰返している。先日、そんな登山道に咲く、頼り無げにも美しい「やまゆり」の前で足を止め、私はぼぉ~と、暫し見詰めていた。
そして昨日、気分を変え、きっと「あじさい」の花に埋もれているだろう山形市は村木沢にあるあの「あじさい参道」に向かった。昨日のるうだるような暑さの中、爽やかなブルーの「あじさい」の色が、ちょっとだけ涼しさをくれるように群れなし咲くその様子は、やはり圧巻だ!。私は、良向寺文殊堂まで延々と続く石の階段を一段一段「あじさい」を楽しみながらゆっくりと登っていった。
私はその帰り道、車のハンドルを握りながら、あの美しい「あじさい」をもってしても、彼の死のショックを塗り替えられず、私は、ただただ・・過ぎ行く”時間”・・というものに委ねるしか・・そのすべはないのかもしれない。