車旅行でホテル行脚・・・“あるホテルの一日”・・から |
今日は少し長くなりますが、・・どうかお付き合いくださいませ。
そして、フロントに向えば、どこからともなく「いらっしゃいませ。」という複数の声が響いた。私は、歓迎されている・・その状況の中、そそくさと受付カウンターに向った。“じゃらん”を通し、ネットで申し込んだ時点で、住所などのほとんどの情報は提供済みだったお陰だろう、宿泊帳には、私の情報はあらかじめ書き込まれていて、そこに私のサインを入れるだけで、僅か一分と掛からずにチェックインが済んだ。これは、疲れた体には正直・・ありがたい。・・そして、「では、お部屋にご案内いたしますので・」という、誘導されるままにについて行けば、売店の営業時間や、非常階段の位置などの説明を受けながら、ようやく今日泊まることになのだろうその部屋のドアの前に到着した。「着いた着いた・・」と、どこかで嬉しさと安堵がこみあげ、今にも畳の上に大の字になりたい気分だが、それを押し殺し、部屋に通された私は、真っ先に・・まずは窓のカーテンを開けた。そしてその外の伸びやかな景色に、「あぁ~・・・いいなぁ~・・。」などと、独り言をつぶやけば、部屋に入り込んでいた案内役も、「そうなんですよぉ~・・、綺麗でしょぉ~・・。」と、お茶を入れながら、その景色の素晴らしさの説明に耳を傾ける。・・がしかし、ある時、部屋の扉の前で、「では、ごゆっくりおくつろぎください。」と、解放されたことがあったが、私はそのほうが嬉しい。しかも、時として、部屋でお茶を入れていただきながら、次から次へと・・30分に及ぶ観光案内を受けたことがあったが、客は、とりあえず疲れていることを前提にしてほしいものだと。そして、フロントで説明のなかった夕食を訪ねれば、「それは、後ほど係りのものが・」と、肩透かし。又担当が違うようだが、だとすれば、私はお風呂にも行けず、その人を待たなければならないのだろうか。食事の説明など・・そうは難しくはないのだから、一緒に説明してくれればいいのに・・と思うことも。そして更に・・「それでは、後ほど浴衣をお持ちいたしますので・」・・と。「え!、浴衣・・部屋にないの・・。」と思い、「何時いただけるのですか?。」と聞けば、「すぐにお持ちいたしますので・・」と、まぁ~・・それなりにすぐに届いたとは言え、その浴衣は、私には大きすぎて、“松の廊下”状態。たぶん・・だが、部屋へ案内しながら、私の背丈や体格などのそのサイズを見極めていたのだろう。そのことによって、全ての部屋にS・M・L・・と、フルサイズを整える必要はなくなるのだろうけれど、でも、危なきかな・・、ひとたび見誤ってしまえば、私のように“松の廊下”常態になってしまうのだから。やはり、どれを着るかはお客に選択させてもらいたいものだ。暫くして、部屋の担当者だという社員が部屋を訪れた。夕食の説明や、明日の朝食の説明があったのだが、先ほどお茶を入れてくれた方と、説明がかなりダブっている。
そして、又、あの露天風呂を楽しもうと思えども、メンテナンスのためなのか、夜11時まで・・などと、時間が指定されたホテルもあった。訪れる客を基本に、24時間、何時でも温泉に入れるホテルもあるが、それは何にも増しとてもありがたものだ。そして、いよいよ、ゆっくり寝ようか・・と思えば、隣室の騒音が響き渡ったり、もしかして、上階の子供が騒いでいるのか?・・・と思いきや、たまに、設備設計の不味さから、空調の音が一晩中鳴り響くホテルも・・なくもない。それでも、仕事から離れた開放感に浸り、ゆっくり安眠しながらも就寝。次の日に目を覚ましてみれば・・既に朝8時。さて、朝食のバイキングだ・・と思いきや、チェックアウトが10時にも関わらず、朝食は8時30分まで・・などという縛りに、あわてて身支度をして朝食会場に向う。何時だったか、チェックアウトまで、何時でもゆっくりと食事が出来る・・といったホテルがあったが、それはとてもありがたいことだ。・・・・なにも、早朝から勇んで観光地に向う人たちだけではないのだし、のんびりと温泉を楽しもうとしているお客様も少なくはないのだから。
そんな朝食に、「ご馳走さまぁ~・・!。」と、カギを持って部屋に戻れば、その合間にふとんをたたむホテルがほとんどかも知れないが、チェックアウトまで・・「どうぞお寛ぎください。」とばかりに、布団はそのままにしてくれるホテルもある。それは、又、露天風呂に入って横になろうか・・という人には、とてもありがたいことだ。そして、チェックアウト時には、カードでの支払いに時間を費やすのはともかくも、理由のわからない待ち時間には、それなりにいらいらするものだ。そして、玄関に届いていた自分の車に乗り込めば、数人の社員が・・皆、「ありがとうございました!。」と、仰々しくも深々とお辞儀を受けるのは珍しくないが、・・たまに車が見えなくなるまでお辞儀を続けるホテルもあり、それは身に余る恐縮至極である。なにも・・そこまで・・やらなくとも・・と思ってしまう。・・かといって、「ありがとうございました・・!」と、その瞬間、そっぽを向かれるのも、それはそれで後味が悪い。
(画像は、私には全てにおいて満足だった、青森の「古牧温泉青森屋」。)
結局、私のような客ときたら、わがまま放題なのだから・・・
つまりは、ホテル経営などとは、一筋縄ではいかない・・ということなのだろう。