映画祭!・・でも、私のリズムは・・・ |
映画祭も早半分が過ぎ、私たち「市民賞」スタッフも日々奮闘を続けている。私たちの控え室には、回収袋を抱えたスタッフが入れ替わり立ち代り出入りを繰り返し、各会場から運ばれてきた観客一人一人の投票用紙がテーブルに広げられ開票・・そして集計作業が迅速に進められていく。今回初参加のスタッフも、ようやくその手順を身に付け、次から次に回収されてくる投票用紙を開票していくその姿は既に慣れた手付きだ。映画祭も半ばを迎え、会場周辺では、「“市民賞”は、あの映画に決まり・・なんじゃないか!」・・、とか、[この映画は、間違いなく“市民賞”候補だろう!]・・などといった噂や憶測が流れるようになった。それは、言い換えれば「市民賞」という賞が、この映画祭でプロが選ぶ他の賞と肩を並べる位置を獲得している・・という証明とも言えるのかも知れない。私の中で、「・・・どんな賞よりも一番嬉しい!」と、サヨナラパーティーで通訳を通じ笑顔で会話してくれた、ある国の映画監督の言葉が蘇る。
今回も、観客の心を捉えたそんな「市民賞」を見つけ出そうと、控え室にある私のパソコンに入力された手作りの開票一覧表が待ち構え、開票されるごとにその数字が打ち込まれる。そして4日目を迎えた今、日々逆転を繰返しながら、徐々に「市民賞」が絞られつつある。
Tシャツに長袖シャツでも、早朝の冷え込む風に寒ささえ感じるが、それも登山道を暫く登りつめれば体はすぐに温まる。それにしても、今日はまだ朝8時前だというのに千歳山山頂を目指す人たちの何と多いことか。3連休の最終日、私のように、見事に晴れ渡った青空とその爽やかさについ誘われたのだろうか。(朝日を受けて、緑の葉が一際際立つ”すいかずら”の葉。)
私は、徐々に紅葉し始めた木々の間の登山道を、いつものようにトツトツ・トツトツとゆっくりと足を運ばせれば、そんな靴の音に微かに葉が揺れこすれあう音が混じり、山の懐の香りが僅かな風に運ばれ、秋の香りを感じた。そして・・リズムよく呼吸を続ける私のからだの中で、その風の味さえ感じるような気がしたのは、私の思い過ごしだろうか・・・。私は、まさに“からだ”の五感の全てを研ぎ澄まし、ひたすら上へ上へとのぼり続けた。そして、時折私の登るその角度によって、木々の枝と枝の間から一瞬差し込む強い朝日に、「眩しい・・!」と、私は思わず手のひらを額に当て、日差しを遮る。
(山頂展望台から、朝日を受け色付いた葉は美しく透き通った。下)
登山で汗ばんだ体をシャワーで癒し、さて、そろそろ映画祭に出掛けるとするか!・・・