「劇団山形」秋の公演まで・・あと20日! |
舞台装置のための倉庫には、過去の舞台のパネルが、びっしりと詰め込まれている。そして、今回の舞台装置製作に、新たにベニヤ一枚、角材一本も仕入れてはいない。つまり、それだけのパネルや材料は常に保存されている・・というわけである。何時のことだったか、「お金を払って観賞しているのだから、装置の使いまわしはやめろ!。」という批判を受けたことがあったが、それは、全くの間違いである。なぜなら、古いパネルだからこそ・・、塗料を何度も塗り重ねたからこそ・・、作ろうとして決して作れない“風合”が生まれ、それらのパネルで囲まれた空間には、何ともいえない柔らかな雰囲気をかもし出す。私たちは、節約のために古いパネルを使っているのではない。つまり、古いパネルほど、私たちにとって決して捨てることの出来ない、貴重な財産・・というわけなのだ。
私たちの公演まで、あと20日と迫ってきたが、稽古場では連日役者は演技に磨きをかけ、一日又一日と、公演に近づくごとにその緊張感が増して行く。私たちスタッフも、舞台装置の組立手順や、細部のディティールなども日々シュミレーションを繰り返し、観客に伝えたい感動のため、私たちは日々稽古を繰返している。