みなさま!
あけまして おめでとうございます。
今年も、又、どうぞお付き合いくださいませ!。
今日は元旦だから・・というわけではなく、私は何時ものように日の出前に目を覚ました。テレビでは各局全て思い思いの場所で“初日の出”を待ちうけているようだ。初日の出は七時少し前くらいだろうかと、我がマンションの東の空を眺めてみれば、厚い雲に覆われ、その姿を見ることは出来そうにない(上)。ある局では、富士山と“初日の出”を重ねて見ようと、その絶景ポイントにヘリコプターで待ちうけていた。その真っ青な空に朝焼けがうっすらと地平線を被い、そのある一点の場所が徐々に金色に変り、そして太陽が僅かに姿を現した。その強い光を受け、富士山はより暗いシルエットとなり、その美しい稜線がくっきりと浮かび上がった。なんという光景だろうか、テレビ画像ではあるが、ゆっくりと・・永遠と・・確実に繰り返される宇宙の摂理・・!。私は、その“初日の出”の光景から、宇宙のダイナミズムを感じ感動していた。
私は、昨年の元旦は、確か千歳山に登ったことを思い出したが、今日はあいにくの吹雪!。どうしたものかと思いながら、私は登山の準備に取り掛かっていた。吹雪とはいえ、山は「千歳山」だから・・と、それに、昨日から降り続いたらしい雪も、僅かに屋根を染める量。アイゼンも必用ないだろと、私は“登り初め”・・とばかりに勇んで出掛けた。でも、それは大きな間違いだった。
(写真は、今日元旦の山頂展望台附近の光景)
無数の赤い鳥居を潜り抜けると表れる稲荷神社には、さすがに初詣客で賑わっているが、そこを通り過ぎ山頂を目指す人はまったくいない。登山道に薄く積もった雪に、何人かの足跡があり、どこかですれ違うかもしれないと、ちょっと寂しい気持を抑えながら、トツトツトツトツ・・と、何時ものようにリズム良く登り始めた。ところが、山頂に近づくにつれ横殴りの吹雪きとなり、強い風に乗せられた無数の雪は水平に走り去る。それに、登山道の雪は固く凍り、新雪の上から登山靴に踏みつけられ、ちょっとした勾配でもとても滑りやすい。やっぱり、アイゼンを持ってくるべきだったと、私は、ジャンパーのフードを取り出し、帽子の上からすっぽりと被った。ハー・・ハー・・と、自分の呼吸する音が、今被ったフードの中にこもり、大きく聞こえた。そして一本の杖を頼りに、靴跡のない部分を探しながら一歩一歩ひたすら登り続け、何とか山頂までたどり着いた。
展望台からのセピア色の光景は、水平に流れる吹雪によってかき消され、かすかに見えるだけ(上)。私は、暫し息を整え早々に下山を始めた。滑落しないように、細心の注意を払い、一歩・・又一歩と下山を続けていると、突然、息が出来ないほどの突風に襲われた。私は、飛ばされはしないかと、思わず大きな木の陰に身をかがめた。昨年の冬の登山では、体験したことがない突風だった。防寒具に覆われた私の体だが、僅かに露出する顔面は凍るほどに冷え、そこに叩きつける雪が・・痛い!。突風が通り去るのを暫く待って、何とか無事に下山したものの、元旦の“登り初め”・・と、アイゼンを持たずに勇んで出掛けてしまった私は、冬の千歳山の洗礼を受けてしまった。
でも、下山した今、気分は最高!