千歳山に・・時々”アート”が! |
そんな時は・・・、やっぱり千歳山登山だ!。
私はその直後、条件反射のように防寒具に身を包み、アイゼンを腰にぶら下げ、早速千歳山の懐に向った。ここのところの穏やかな気候で、持ってきたアイゼンも必要ないほどに先日とは全く違って、登山道の氷がすっかり溶けてなくなっていた。でも、昨夜の雪なのだろう、わずかな雪が登山道を真っ白にし、そこに直射日光が反射し目にまぶしい。(左、こんな登山道が上へ上へと続いていく。)
そんな陽気の時は、何処にでも潜んでいるだろう僅かな美しい光景にも五感を研ぎ澄まし、ゆっくりと楽しみながら登るのが一番だ。日曜日の今日、私のように、この陽気に誘われたたくさんの登山客と次々に挨拶を交わしていたら、あっという間に山頂にたどり着いた。そして、展望台に立つも、青空広がる晴天にも関わらず遠くに見えるはずの「月山」は、薄い雲に阻まれ姿を隠している。私は、展望台をうろうろしながら360度の景色を味わい、暫し息を整えた。そして、うっすらと汗ばんだTシャツの感覚の気持ちよさをどこかで感じながら、今日は何故だろうか?名残惜しい思いを残しながら、厚手のジャンパーのファスナーを首までしめ上げ、又ゆっくりと下山を始めた。ゴツゴツした登山道の足元に、時々現れる緑のコケの鮮やかさや、竹林の緑と真っ白な雪とのコントラストの美しさを味わい、楽しみながら下山を続けた。そして、私は今日、何時もなにげなく通り過ぎていた三つの椅子の前で立ち止まった。誰も座ることのなくなった登山道にじっと立ち尽くす椅子、・・・この繋がり合う椅子の・・錆つき、ペンキがはげ、そして真っ白な雪!、私は思わずその光景をじっと見詰ながら、そこに・・どこか美しいアートを感じ、一人思わず微笑んでしまった。(下)