芝居を“つくる” 「劇団山形」 |
それとは別に、1991年、バブル景気崩壊以後、特に1998年以来12年連続で、自殺者数が年間3万人を超え続けている。その、10万人に24.4人という自殺率は、先進国ではダントツ1位だ。昨年2009年の自殺者数は3万2753人と、史上最多を又も更新した。更に、孤独死・無縁死・・・など、自治体によって火葬埋葬された人たちは、自殺者とほぼ同じが32.000人に達している。これらの異常なまでの数字は、一見平和に見えるこの国・・日本の実態である。
それでも、“ひと”が生きる“チカラ”について思うとき、昨年、11回目を迎えた「山形国際ドキュメンタリー映画祭」の生みの親とも言える、ドキュメンタリー映画監督、故:「小川紳介」氏が、「映画は、それを観た者に元気を与えなければ意味が無い!」と言っていた言葉を思い出す。「映画」や「芝居」が、どれほどの“チカラ”があるのかは、私には解らないが、政治が変りながら、この国日本の混沌とした現状や環境は一向に変りそうも無い・・・でも、その世相を横目に、それでも、元気の出る芝居作りが出来ないだろうか。私が所属する「劇団山形」は、今年で45周年を迎える。そして今日は3月6日、啓蟄(けいちつ)。雪が融け、春の息吹を感じさせる昨今、団員約三十数名のうち、私を含め六名による「創作委員会」が、その秋の定期公演に向けて動きだしている。
平成10年の公演「北山形駅前西口学寮物語」は、この創作委員会の度重なる議論や、セリフを書いては手直しと、約一年間を費やし完成した創作劇だった。今回の舞台となるのは、様々な人間模様が渦巻き、その歴史を重ねてきた山形市内の歓楽街「花小路」(下)。