“町おこし”で蘇った・・“町屋“の「村上市」 |
彼は、会津復古会の初代会長「五十嵐大祐」氏の、「道路の拡幅によって栄えた街はどこにもない。村上が素晴らしいのは城下町を構成する武家町と町人町の両方が残っているからだ。これは全国的にも珍しい。この一方の町人町を近代化するということは、町屋が壊され城下町としての価値を著しく失うことになる。」
この言葉に打たれ、彼はそのことを確かめるように全国を見てまわったという。その、耳障りの良い“近代化?”・・によって、城下町の大切な町屋が壊されるばかりでなく、商店街までもが一挙に衰退してしまうという現実を知ったのだという。
そして、「町おこし」によって 見事に蘇った村上の、三月現在の一ヶ月間、各町屋に眠っていたお雛様を各々観光客に無料で公開するという・・、自分の店は勿論、大勢の観光客によって商店街の活性化に繋ぐことが出来た「町屋人形さま巡り」が行われている。
(上:この立て看板のあるお店や町屋が、無料で人形の公開をしているのだ。右は賑わう様子:ネットから。)
先日、私は、その「町おこし」をこの目と体で実感しようと、村上市に車を走らせた。この「町屋人形さま巡り」には、毎年全国から10万人を越える人たちが訪れるというだけあって、平日にも関わらず、「まち歩きマップ」(下)を手に持った大勢の観光客で大いに賑わっていた。御菓子屋・瀬戸物屋・洋品店・畳屋・・・などなど、私は、この企画がなければ決して訪れることはなかっただろう、たくさんの町屋に足を踏み入れた。京都と同じく、税法上狭い間口に奥行きの深い町屋の構造そのものや、・・代々老舗の歴史を継承する、何人かのご主人とも話しをすることが出来た。私は、どうしてこの町が元気なのか、この町で暮らす人々のその表情を目にしながら、そして、その”目”には見えないとても大事な・・“なにか”・・を肌で感じ、少しだけだが理解できたような気がした。
(下、「町屋人形さま巡り」マップの一部。この、赤い通り沿いに立ち並ぶ赤丸数字の全ての町屋が、お雛様などの人形を無料で公開しているのだ。)