相変わらず三日に一度は千歳山登山を続けている私は、今朝、セーターの上には厚手のジャンパーを羽織り、アウトドア用の靴に足カバーを付け、手には手袋をはめた。アイゼンこそ持たないものの、今日登山へ向う私の姿は、すっかり真冬のいでたちに逆戻りである。(上は、今日の山頂展望台。)
つい先日のぽかぽか陽気に、千歳山で出会ったショートパンツにTシャツといういでたちで下山する学生の姿は、まるで、遠い以前の光景にも思えてくる。(左、今日の登山道。)
日曜日の今日は、気温こそ低いものの、雪を積もらせた昨日の天気とはうって変わって日差しが差し込む穏やかな陽気となった。さて、昨日の雪が、千歳山の光景をどんな風に変えているやら、私は何故かうきうきしながら、今日も千歳山の懐に向った。
からからに乾いた登山道は、解けた雪ですっかりぬかるみ、リズムよく登り続ける私の足元で、ピチャピチャ・・ピチャ・・と、音を立てる。登山道へ流れ込むそんな雪解け水が、・・下へ下へと、無数の小さな水面を作り、そして小さな流れとなった。そこへ、時々差し込む強い日差しが私の目に反射し、絶えずキラキラと揺らぐその様は、まぶしくも・・とても美しい。そして、ふと目を逸らせば、登山道の脇に小さな群生となった熊笹の緑が、雪の白さにとても映え、よりいっそう鮮やかに見える。(下)
今日は日曜日とあって、たくさんの登山客と挨拶を交わした。そんな不思議な気候をも楽しみながらも、山頂に近づくにつれ、雪はだんだん多くなり、まるで真冬の光景となった。山頂の展望台に登り、息を整えながら今日の下界を暫く眺めていると、展望台の屋根に積もった雪がいっせいに溶け出し、軒先から山肌に落ち続けるその音は、まるで小さな渓流のせせらぎを聞いているかのようだ。
ゆっくりと下山し、自宅に向うアスファルトの道端で、ようやく花を咲かせた水仙が、昨日の雪に押しつぶされた姿を見た(上)。この雪の白さに、水仙の緑と黄色の鮮やかさは、美しいが・・・惨くも見える。四月の半ばを迎え、春の息吹を待ちわびていると、又も雪の美しさに出会えるとは・・・、自然とは、何とも不思議な光景を作り出すものである。