昨日、ゴールデンウィークの初日を迎えたが、私は、何時もと何も変わらない一日を過ごした。そして、三日に一度、千歳山の山頂を目指す習慣も、相変わらずである。30日の今日は、早朝から強い日差しが差し込む晴天に恵まれているが、昨日は雨と風の千歳山を体験してしまった。
ゴールデンウィークの初日を迎えた昨日、今にも雨が落ちそうな、そんな鉛色の空を眺めながら、私は何時ものように、千歳山登山の準備を始めた。運良くば、雨が落ちる前に下山出きるかもしれないが、とりあえずズボンのお尻のポケットに、雨具よりもコンパクトな折りたたみ傘をねじ込んだ。靴は?・・と、少々悩みながらも軽快なスニーカーにした。そして、七連休を勝ち取った人たちが、大きなスーツケースを伴い、海外へ旅立とうとする・・そんなテレビニュースを横目に、私は昨日も千歳山に向った。大鳥居のある登山口に到着すると、大きな二本のソメイヨシノも満開を迎えたようだ(上)。
私は、何時ものようにこの大鳥居をくぐり、トツトツ・トツトツと、まずは石の階段を登り始めた。そして、乾いた登山道を暫く登ると、様々な木々の枝先には、ようやく春を待ちわびていたかのように、一斉に若い緑の芽を付けたようだ(上)。たぶん、あっという間に緑の葉に包まれるだろう、そんな千歳山の懐が待ち遠しい。そして、ところどころに現れる、真っ白な花を付けた木は、「コブシ」によく似た、「タムシバ」だ。確かに、まだ蕾ではあるが、私が又訪れる三日後あたりには、きっと花が開いていることだろう。そんな春の息吹を感じながら登り続け、そして、山頂の展望台に立った(下)。
空が澄んでいれば、遠くに「月山」や「朝日連峰」が見えるのだが、空から覆いかぶさる重い雲が、昨日の下界の光景をセピア色に変えたていた。さて、雨が落ちないうちに・・と、私は早々に下山を始めた。・・・と思ったら、ポツ・・ポツ・・・ポツポツ・・と、雨粒が、乾いた枯れ葉に落ち音を立てた。・・・とうとう来たか!と、私は、ズボンの後ろのポケットから折りたたみ傘を出し、頭上で広げた。これなら雨の登山もなんのその・・と、軽快に下山を続けていると、今度は雨ばかりか、なにやら風も強くなってきた。この小さな笠が飛ばされはしないかと、風であおられる笠をしっかりともち、そして風上に構えた。暫くすると、乾いていた登山道は、あっと言う間にぬかるみ始め、見る見るスニーカーが泥に染まる。それに、横殴りの雨が、笠でかばいきれない足元に当たりびしょ濡れだ。急ぎ足で自宅に戻るも、アシカバーをつけなかったズボンの裾も泥まみれだった。昨日は、そんな雨と風の千歳山を体験してしまった。
下山の途中、稲荷神社近くて、真っ赤な「椿」が目に入った。そして、その木の足元を見れば、散った椿の花びらが、なんとも美しいこんな光景を作っていた。(上)