・・・基本的に・・玄関は、さて何処にするのか。リビングの総巾とその奥行きについてや、全ての家具を置く位置についても綿密に打ち合せをする。そして、どうすれば、人の動きが魅力的にしかも自然に見えるのか・・?。
これは、仕事でお客様と住宅の間取りの打ち合せをしている・・のではなく、私と正面で向かい会っているのは、我が「劇団山形」の、舞台を創り上げる・・“演出”・・なのである。
昨日の日曜日、朝一番に「劇団山形」の稽古場に駆けつけた私は、何故か、ワクワクしながら9ヶ月ぶりに倉庫のシャッターを開けた。・・・その瞬間、舞台装置のパネル一枚一枚が重ねられたその光景や、懐かしくも心地よいペンキの臭いも手伝って、思わず、昨年の様々なあの感動的だった“舞台の香り”が又蘇る(上)。これらは、確かに昨年の熱かった舞台の“抜け殻”・・ではあるが、今年も又新たに加工され、私たちの熱い“魂”が吹き込まれる季節となった。そして私は、暫くの間この倉庫にこもり、今年の公演に必用なパネルの数をチェックしていると、徐々に他の劇団員と共に、この度の“演出”も駆けつけてきた。そして、おもむろに稽古場に移り、テーブルに腰を下ろした私は、又改めて演出と向き合い、私のスケッチを広げながら、舞台装置の細部に渡る打ち合せを始めた・・というわけである。
(これは、まだスケッチではあるが、徐々に、細部の寸法の入った正確な図面に変わっていく。)
演出が、役者の動きをイメージしながらどんな芝居に仕上げたいのか、それを聞きだし、具体的な舞台を形にするのが、舞台装置担当である私の仕事なのである。私のこのスケッチに、演出と共にどんどん書き込みを入れながら、お互いのイメージする舞台を刷り合わせ、ようやく舞台セットの基本となる場の設定が完成した。そして私は、二ヵ月後の公演当日(10月19日)までに、舞台装置の全てのパネルを仕上げなければならない。
今年も又、私たちの、まさに”舞台作づくり”が始まった。
充実した午前の時間が過ぎ、そのまま昼食に突入。そして何時ものことだが、私たちの自前で作った、昨日はタレにツナ缶とミョウガを入れ、団員皆んなで食べた“そうめん”が、
何故か・・・特別に美味い!。