晩秋の香り・・・夜の香り |
カサカサ・カサカサ・・という、登山道を登り続ける落ち葉を踏む私の足音に加え、風が全くないにも関わらず、カサ・カサ・カサ!・・と、常に枯れ葉が自分の重さで枝から離れ、フワフワと落ちる音が絶えない。その音は、時々、ガサガサ!と大きな音を立てるのは、人の顔ほどに大きな枯れ葉が落ちる音だ。風がなく、動かない木々のその光景の真っ只中で、常にカサ・・カサという音に包まれるのは、不思議な感覚である。千歳山も、日々冬支度を続けている・・ということなのだろう。
そして、私の足元の、真っ赤な紅葉の落ち葉に目が止まり、思わずその真上を見上げてみれば、澄んだ青空を背景に、真っ赤な紅葉の枝が美しさを演出(上)。なんという光景だろうか!・・と、自然の不思議さを思った。
登山を続けながら何時も思うことがある。千歳山の懐に飛び込んでは心を穏やかにし、そして五感を研ぎ澄ませば、春は春の、秋は秋の、それぞれの季節ごとに風の香りが違うのだ。春は新しい緑の香りか?・・、秋は枯れ行く落ち葉の香りか?、風は、何時も何処からともなく素敵な香りを運んでくれる。
香りを感じるのは、日中の山だけではない。夜になり、僅かな街の明かりを眺めるのが好きな私は、夜でもよくベランダに出る。すると、明らかにその時々の夜の香りがするのだ。昨今の晩秋の香りは、子供のころの香りの記憶のように、ずっと前から何時もこんな香りだったような気がする。
夜、走り回る車の臭いや、アスファルトの臭いか?、それに、枯れ行く緑の香りか?、人の営みの香りか?、様々に入り混じったその香りは、私はずっと前から・・・とても好きだ。
(左は、先日、夕暮れの中に満月のお月様が東の空に浮かび、綺麗だ・・と、思わずデジカメ。)