天気が良い日を狙って登山に出かけるのか、出掛けた日がたまたま好天気に恵まれたのか、どちらにしても、連日雪マークの天気予報にも関わらず、最近の千歳山登山では、青空が広がるほどにほぼ天候に恵まれている。でも、吹雪や強風の時も、そのささやかな過酷さを、むしろ楽しんだりもするのだが、やはり、青空が広がり、日差しを受けながらの登山は気持が良い。
昨日の日曜日も、時々青空が広がり、一瞬差し込む日差しが真っ白な雪にたくさんの木の陰を落とす時、つい、あの真夏の揺らぐ木洩れ日を思い起こさせたる。確かに、新しい緑も眩しい季節はそう遠くはないが、だからこそ雪の千歳山を、もう少しは楽しみたいものである。昨日も、五感を研ぎ澄ませながら、“こころ”に染みて来る美しさを逃すまいと、たまには足元から目を逸らし、時々立ち止まっては天を仰ぎながら、目くるめく変わる空の色や、遠くで小鳥の囀る音に耳をそばだてた。そんなことを繰り返しながら、私は昨日も山頂に立った。
「二礼二拍手一礼と、今日の心をあらわして、拝み終わって山頂に」、登山道の途中で待ち構える、こんな「稲荷神社」の掲示板。私も含め、山頂を目指す者はここで“なにか”にゆっくりと手を合わせ・・そして山頂を目指す。きっと自然万物に神が宿っているのだろう・・その懐で、私たちは、五感でその“なにか”を受け取りながら・・感じながら、そして動きまわれるこの幸運に・・感謝である。