千歳山・・・優しい”洗礼” |
昨日の早朝から降り続いた新しい雪は、日差しを受け思った以上に輝いてとても眩しい!。昨日の昼近い時間、千歳山の懐に潜り込んでから間もなくして、強く吹きすさぶ冷たい風が木々を揺らし、自分の吐く息の音さえ聞こえないほどに大きな唸りを上げている。青空で日差しが差し込むというのに、時々突風がさらっとした新しい雪を地吹雪のように水平に吹き飛ばし、目の前が一瞬真っ白になった。それでも、登山道を折り返すたびに、千歳山の陰に入ったお陰か、不思議なほどに全く風を感じなくなる。そんなことを繰り返しながら徐々に山頂に近くなるにつれ、風は益々強くなり、思わずかじかんだ耳を両手の手袋で被った。この冬一番のこの風は、まるで、「今年の冬の千歳山は、まだまだ楽には終わらないぞ・・!」とでも言うように、日頃とても優しい千歳山から、暫しありがたき洗礼を受けたようだ。
(左:時々差し込む日差しが、まるで真夏の木洩れ日のような影を作る。)
しばらくして、誰も居ない山頂に立ったと思えば、何と、不思議なほどに風が穏やかになった。そして昨日は日曜日、山頂から見える下界の様子は、時間が止まったかのように静止して見えた。そんな下界を眺めながら、手袋の中の両手はようやくポカポカと暖かくなり、それに、ジャンパーの下のTシャツは僅かに汗で滲んでいるようだ。さてさて、風邪でもひかぬうちに下山するとしようか・・と、大きな深呼吸で改めて息を整えた。そしておもむろに登山道の圧雪をアイゼンがしっかりと捕らえながら、久しぶりに真っ白になった登山道を、一歩一歩踏みしめるように下山を始めた。