今年の春、生まれたばかりの初々しい緑のトンネル(上)。あぁ~・・何と生き生きとした光景なのだろうか!。しかも、そこにほど良く散らばる、鮮やかな色も眩しい満開の「ヤマツツジ」(下)。千歳山には、あの原生林のような幻想的な逞しさはないが、”ひと”の感性を優しく浄化してくれる息吹がある。緑に囲まれ、日々変わり行く千歳山の光景は、永遠と続く“時“のほど良い速さやリズムを教えてくれているかのようだ。
トツトツと登り続ける足元の登山道に、点々と、無数の散り続けていた山桜やタムシバの白い花びらは、雨や風にさらされもうすっかり土に還ろうとしている。そんな点在する無数の花びらに混じって、ところどころに5枚の花弁も美しい小さな白い花が混じっていた。いったい何の花かとあたりを見回しても、それらしい枝は見つからない。
先日、「山形市野草園」を訪れた時、それは“スイカズラ科“の「ムシカリ」という花である事がわかった(上)。葉がよく虫に食われることから「ムシカリ」という名が付けられたという。又、葉が大きな亀の甲を思わせることから「「オオカメノキ」とも呼ばれるのだそうだ。その美しい“さま“と、蜜の混じった甘い香りは、虫を誘惑しようとしながら、まるで私たちをも誘っているかのようだ。