「劇団山形」 稽古開始 |
《劇団山形》秋の公演題目です。(10月21日公演)
先日から稽古が始まりました。
20数年間、私はこの劇団で舞台美術を担当してきました。役者になれ
なかった!・・からかも知れませんけれどね・・。もし役者が出来ていれば、
役者と乞食は・・・でしょうか?もっと別な意味で、やはり劇団には深く
関わっていたと思います。
舞台装置は基本的な考え方を演出との打合せを繰り返しながら進めていきます。
これまでは大正時代の建築の再現・・とか、近未来の建築とか、たまに
空想の世界などと・・・照明や音響そしてキャストと共演し、私達のイメージを
舞台空間に表現して来ました。そしてその会場に足を運んでくれた観客の声。
私たちの反省や・・そして感動!
いつのまにかそんな魅力に取り付かれていました。
昨年の公演は、七日町アズ大ホールで、劇団40周年記念公演となった脚本
[こんにちは母さん]の舞台。
それは下町の住宅2階建を四棟建てなければなりませんでした。
2階建の住宅・・四棟・・なのです!
舞台のあのスペースの広いようでとても狭いあの空間にどう収められるのか、
模型を作り、客席からの視線を確認して又修正。パネルの数もさることながら、
とても苦心したセットでした。
私は、常々装置は、その芝居の大事なポイントさえ舞台上に表現できれば、
パネルなどは出来るだけ少ないほうがいいと・・・。そのほうが大事なものが
浮かびあがると思っています。
例えばドア1枚に照明だけの装置だとか・・・・でも・これが・・なかなか難しいのです。
そして今年は舞台転換無しで総合病院四人部屋の病室の設定。
さて・・あの大ホールのスペースを逆にどうやったら埋められるのか・・?
客席からの死角を作ってはいけないし、キャストが生き生きと見えなければなりま
せんから・・・。難題です。
私は子供の頃から絵を描く事やモノを作ることがとても好きでした。建築の設計
という仕事は、幸運にも私の天職だと思っています。
でもこの劇団・そしてその仲間達も私に必要な大切な世界・もうひとつの家族です。
そして継続は力なり・・ではありませんが続けているからこそいつか得られる、大事な
モノ・・が必ずあると信じています。
私のアルバムに、数少ない劇団の写真(手元にはあまり無いのです。)こんなのが
残っていました。
平成13年11月公演「煙が目にしみる」の舞台セットです。2人の主人公。それは2つの
家族の主が亡くなり、火葬するという場面なので、あえて左右対称にシンメトリックな装置
にしました。
下の写真はその舞台裏。
私は当日、ここで桜の花びらを降らせていました。
今年の劇団山形の公演、是非観に来てください!