「遥か彼方からのーひびき」 山海塾 |
力こぶではなく、限りなくしなやかに鍛え上げられた肉体。
全ての世界を抱えて・・・そして透明な天児の視点。
それは、普段決して体感することのない世界でした。
昨日、宮城県川崎の“えずこホール”での山海塾の公演。
写真はパンフレットから・・・・。
舞台には透明で大きなガラスの皿がいくつか置かれ
八分目まで水が入っています。
その真上にはワイヤーで吊られたスポットライトに輝くガラスの器が数個。
そこから水滴が一つ、二つとゆっくりその大皿に落ちていました。
(時間を刻むように)
舞台の床には、薄く、とても粒子のこまい砂が敷かれています。
歩くたびにその砂が小さく舞う。
(舞台の床ではなく地面を感じることが出来ました。)
そこで繰り広げられた彼の世界。
音楽はあの加古隆。
・・・・・・いや~~~素晴らしかったです。
その不思議な美しさに感動してきました。
以前ブログで紹介しましたが、天児牛大は私の1番好きな
現代舞踏家です。五回目で四年ぶりに観る舞台ですが
少しも変わっていない彼のしなやかな肉体。そして表現力。
今回もいろんな意味で又刺激とエネルギーを得ることが出来ました。
今日はパンフレットに載っていた彼の文章と
山海塾の[UNETSU]という写真集から何枚か紹介して
今日のブログにしようと思います。
遥か彼方からのーひびき
素型としての歩行
目の高さの一点を正面ときめ
同じ方向に二人がゆっくり同様に歩行してゆくとき
合図なしで同時に止まることは可能である
むろん歩き始めることも
速い速度の移動においても
二人以上の複数においても可能である
対話による約束ではなく
互いの意識のダイアローグによって
一ツのひびき
ひびきは緊張から始まる
もともと張り詰めたものが源となったり
張りつめたものが緩むことにより消滅する
個体発生は系統発生をうながすという
ヒトの胎児は受胎一ヶ月後
その相貌は魚類から両性・爬虫類そして哺乳類へと変身し
古生代の数百万年にわたる海から陸へと上陸する
その波打ち際の壮大なドラマそのものを
数日のうちに経るのだそうだ
母胎の内なる血流音は波打ちの波動に似ているという
すでに受けとっていた一ツのひびき
天児牛大
山海塾 天児牛大
今度はいつ出会えるのか・・・・。