今年も あの"大井沢" へ |
私は・・・そのあたりからこのブログを始めた。
つまり、ブログを書き続けて早いものであれから一年になった。
( これからも続けますので、どうぞお付き合い下さい。)
今年もそんな季節になり、恒例の大井沢へ向かった。(恒例になってからもう何年になるだろうか)
去年は雪が多く、目的地にたどり着けなかったが、今年は逆に異常に雪が少なく
彼の案内する山は、どんな姿を見せてくれるのか。
この日、あいにくの小雨ではあったが、何故か誰ひとり怯まず
カッパとか濡れた時の着替えも準備し仲間四人で勇んで出掛けた。
私が大鳥川へ渓流釣りに行ってから2週間、目的も場所も違うが
杉の木や、様々な緑のコントラストが強く、そんな山の新緑に包まれるのはなんとも清々しい。
彼が案内する山は、ハイキングコースなどとは違い
傾斜の強い斜面を枝につかまりながら登り続け、時にはうっそうとした藪を潜り抜ける。
その藪のツルに足を取られ、なんとも進めず、その脱出に無駄に体力を消耗したかと思えば
思いっきりつかまった枝にトゲがあって・・「イタァ~!」・・などと・・
なんとも情けないそんな自分の姿に、息を切らしながらも思わず自分で・・・笑うしかなかった。
熊を追う 「マタギ」 でもある彼は、息を切らすこともなく、そんな私達を見て・・優しく苦笑い。
途中、太いブナの木に熊の爪跡を見つけた。(勿論、彼に言われなかったら気づかない。)
熊の手の大きさが想像できた。
そして、山の僅かな水場に咲く 「水芭蕉」 のひそやかな花がとても美しい。
街の生活では、決して目にすることのないこの自然の営みが
訪れた私達に、目に見えない、何か大事なものを教えてくれる。
しばらくして、綺麗な緑色した 「こごみ」 の群生に出くわした。
来年の収穫のために、束ごと採らずに1~2本残して採るように彼から言われた。
そうだった、毎年来ているのに大事な事を忘れていた。
山を2時間ほど歩き巡って、髪の毛は勿論、雨や汗でびっしょりと濡れた体の
その背中に背負ったリュックは、そんな山菜で肩に食い込むほどずっしりと重くなった。
心地よく乾いた体を、沢の水に顔をうずめながら、冷たく美味しい水で満たした。
そして、帰り道すらわからない私達は、ひたすら彼の後を追い、無事下山する事が出来た。
彼の実家で、濡れた服を着替えながら、お母さんに、「こごみ」 の美味しい保存方法を
教わった。
そして、80歳過ぎた彼の親父さん、昨年はちょうど退院したばかりで、
痩せて一回り小さくなった気がして、とても心配だったのだが
いつもの頭に手ぬぐいを巻き、そんな粋なハチマキ姿で現れ、満面の笑みで迎えてくれた・・。
親父さんのそんな優しく元気な姿を見て、どこか胸が熱くなるほど・・・・とても安心した。
その夜、山形の彼の家で、新聞紙の上に山になった、こごみ・あいこ・うど・しどけ・たらの芽
など面白い会話で弾みながら、いつの間にか仕分けも終わった。
そして、ちょっと肌寒いが外でバーベキュー。
(この写真、一人分なのでこの4倍の収穫があった。)
この日の酒は、体の芯まで染み渡り、味が違って感じた。
次の日、“こごみ・あいこ”・・は、おひたしに
“うど・たらの芽”・・は、天ぷらにした。
“うど”は、味噌を付け、生でいただくのも美味しいが
ちょうどいいこのサイズ、一本丸ごと天ぷらは・・・いやぁ~・・とにかく・・うまい!