“東北芸術工科大学 卒業/修了研究・制作展” その① |
2月17日まで、「東北芸術工科大学」の卒業生による“制作展”が行われている。
何時のことだったか、この“制作展”に感動してから毎年楽しみになった。
若さ溢れるエネルギッシュなひとつひとつの作品にびっしりと埋め尽くされたこのキャンパスは
下手な美術館より圧倒的に見ごたえがある。
このガイドの緑色に塗られている部分が全て展示場になっている。
先日、二時間ほど見て回ったが、まだまだ時間が足りず2/3を残してしまった。
私はまず、「情報デザイン学系グラフィックコース」のある本館の七階に向かった。
会場には学生をはじめ、一般の鑑賞者で賑わっていて、ある作品の前では学生同士
質問と説明の会話が聞こえ、学んでいる者の真剣さが伝わってきた。
中には、商品の器のデザインや包装紙に使えるような、今すぐにでも商品化出来る
完成度の高い作品も少なくない。
会場は、写真撮影は禁止されていないので、デジカメにひとつひとつの作品を
真剣に写し撮っている学生もいた。
私はこのフロアーで二つの作品が印象に残った。
一つはこの床に広げられた円形のグラフィック作品。
生きてきたそれまでの自分をこの丸い紙の上に書き殴るかのように、イラストで埋め尽くしている。
何か、若者らしいエネルギーと、作者自身のどこか自分探しのような新鮮さを感じ、ここに描かれたイラストの一つ一つに目を引かれた。
もう一つがこの作品。・・・・解説では
shadow dazzle 幻の幻惑 泊 篤志
・・・車や建物などさまざまな立体物の絵を描かせてもらうことがあり・・・・立体がつながっていくと面と面の間に新しい空間がうままれることにとても興味を持ちました。そこで、立体のもつ表情の面白さ・・立体を組み合わせることの面白さを伝えようと思い、シルエットパズルを制作しました。・・・・これは360°色々な見方でたのしめるようになっています。
ひとつひとつのパーツのこの色と“カタチ”の美しさと面白さに加え、それに触れる者が
パーツを自由に組み合わせて、彼の言う、その面と面が作り出す新しい空間が現れては消える。
私が建築設計士だからなのだろうか・・・・・・この作品・・とても面白い!・・と思った。
受付のところどころに、無料で持ち帰れるこんなブックマークが置いてあった。
エレベーターでこの7階から4階まで降りて、「美術科工芸コース」などを順番にみて回った。
「あの人の断片」 作:高山 嵩
特にこの工芸コースのレベルの高さには驚く。
その中でも、銅と真鍮と錫を組み合わせてつくった・・・器なのだろうか
細いペンで精密に描かれた、どこか惹かれるモノクロのこの絵を
金属を組み合わせて立体に完成させたこの作品に・・・目を奪われた。
この日、工芸コースの受付で売られていた、面白い作品がたくさん載っている
学生たちの安すぎる作品集 “KOUGEI”(300円)を買って帰った。
必ず観たいと思っていた、体育館で展示されている「生産デザイン学科」など
残りの2/3を、私は今度何時観れるのか
17日(日)までには何とか時間を作って・・・必ず観にこようと思った。