「新県庁」 と 食堂「材木亭」 |
私は昨日、その資料を税理士に届け、そして税法にのっとり計算されたその金額が
税務署に認められれば、私の、今年支払う各納税額が確定する。
又、この時期になると、帳簿を眺めながら、どれだけのお客様に支えられているものか・・・と、
改めて感謝の気持ちが蘇る。
私の所属する「新日本建築家協会」は、約15年前の発足当時から、私たち建築家の収入を
同じ生命と財産のリスクを抱える弁護士や医師とは区別され、営利企業としての税法を課されることに矛盾を感じ、政府や国民に理解を得るために、共に頑張ってきた。
しかし、いまだ何も変えることが出来ないまま十数年が経った。
そんな割り切れない思いを、又改めて感じてしまう。
私は、昨日の午前に、そんな一年に一度の“国民の義務”を済ませた。
そして、昨日ブログで旧県庁“文翔館”を紹介したばかりだが、今度は新県庁に
久しぶりに私の事務所から徒歩で出かけ、のんびりと散歩しながら向かった。
五年に一度、一級建築士事務所としての登録更新の手続きに訪れたのだ。
その受付の場所も、以前私が勤めていた建築課なのだが、五年前は久しぶりの積もる話に花が咲き
コーヒーなどもご馳走になったりと・・・そんな同僚や先輩たちは、今は退職してしまったり
昇格し栄転となって各建設事務所に転勤になったりと、見渡す限り知る人がいなくなった。
私は、27歳で独立したわけだから、もう何回県庁に更新に訪れたのだろうか・・・などと
歳月の速さも、懐かしさに変わり、建築課のある12階のホールでエレベーターを待ちながら
その北の窓から見えるこんな景色を眺めていた。
各地でこの日、今年一番の暖かさだという晴れやかな天候にも誘われ、
昼食を取るために、私はその足で県庁近くのあの食堂「材木亭」へ歩いて向かった。
先日、山形のラーメン戦争をご紹介したばかりだが、この食堂「材木亭」、県庁の移転と共に
営業を始めてからこれまで、昼は何時も満席。
数年前、その真向かいに、成功を続けるあるラーメン店が出店するも少しも揺るがず
いまだにそのファンは絶えず繁盛し続けている食堂なのだ。
メニューは、中華中心だが、日本蕎麦やカツ丼までそろっていて、何を食べてもとにかく美味しい。
私のお気に入りの「材木亭麺」(550円)は、とろみのある醤油ベースのスープに少し辛味があり
肉や野菜の具とコシのある麺がとても美味しい。
これが麺ではなく、ごはんになると「材木亭定食」となり、これもじつに美味しい。
(写真は、ちょっと食べかけてしまったその“材木亭麺”)
他に「かた焼きそば・柔らか焼きそば」(550円)なぞも絶品だ!
私が独立してからは、この「材木亭」と共にずっと新県庁近くに住んでいるわけだから、この「材木亭」にとっても、私は20数年のお客様ということになる。
勿論、昼休みには県庁職員もどっと押し寄せ、合席は勿論一脚も残さず一気に満席となってしまう。
皆様、県庁近くにお出での節は一度ご賞味・・・を。
お腹一杯になった私は、散歩しながらのその帰り道、又この巨大に聳え立つ県庁を眺めた。
公務員としての退職が見えてきた同僚をよそ目に・・・思えば、生意気だった独立当初からこれまで、いろいろな素敵な人にたくさん出会い、そして様々な苦悩をも生き抜き
“ひと”としても、”建築士”としても、幾つも幾つも積み上げ・・そして培ってきた“もの”が
なんとか見え始めた今、「私は・・ようやくこれからなのだ!」と、何故か力が蘇る。