『千歳山』 登山 |
半そで姿にスニーカー、リュックにはミネラルウォーターと、薄手のジャンパー・タオルを入れて
私はマンションを飛び出し、早速登山に出発した!。
とは言っても、自宅マンションのベランダからいつも正面に見えている標高471mの千歳山。
昨日は晴天、午後3時過ぎからだったが、その山頂を目指してみようと勇んで出掛けた。
登山口は幾つかあるのだが、私は自宅から歩いて出掛け、「千歳山こんにゃく店」の近くの
大きな鳥居をくぐって登ることにした。
私は、この連休を過ぎれば、友人と一緒に毎年恒例のあの「大井沢」で
山の春の恵みを目指すのだが、運動不足だった昨年は、途中息を切らしてしまい
自分の体力の無さを痛感したのだった。
今年は、縦横無尽に登りまくる地元の友人に、何とか付いていけるよう体を作っておきたいと
先日からいろいろと楽しみながら準備をしている。
三日前などは、リュツクに図面を入れ、自宅を・・・勿論歩いて出発。
『生誕100年記念 桜井浜江展』 を観に、まずは「山形美術館」を目指した。
人間「桜井浜江」に感動した私は、その足で市役所まで戻り、かねてより申請中の書類を
受け取って・・・今度は山形駅ビルに、リュックの中の図面を届けに向かった。
流石にその帰りは、市役所で受け取った図面と美術館で買った図録などの重みを背中に感じ、それに傾斜が少し登りになっているためか、疲れが足に表れだしたが、何とか自宅まで戻ってきた。
途中、「天満神社」で子供たちの騒ぐ声が聞こえたので、ちょっと寄り道して覗いて見ると、屋外授業なのだろうか、思い思いのアングルで熱心に写生に取り組んでいた。
よく見れば、のびのびしたその構図が、いかにも純真な子供らしく感じ、見ているだけで疲れも和らぐようだった。
懐かしくも予期せぬそんな、爽やかな出会いもあったりで、ウォーキングは単調だか退屈はしない。
事務所で地図をもとに歩いたその距離を測ってみると、なんと13キロもあった。
ただ、あのフルマラソンはその三倍以上はあるわけだから、それを走りぬくマラソン選手を思えば
たいした距離ではない。
(左は、幾重にも連なっている赤い鳥居。 右は途中にある稲荷神社。)
「千歳山山頂」を目指し、登山口の鳥居をくぐった私は、何段あるだろうか
急な石の階段を登り、まずは近くの「稲荷神社」を目指した。
途中、神々しくもこんな赤い鳥居を幾つもくぐるのだが、一歩一歩くぐり抜ける度に
何か自分の中が浄化されるような気持ちになる。
早速「稲荷神社」に手を合わせ、そしてリュツクを背負い直して、さてと山頂を目指す。
暫くすると、その延々と続く山道は、ようやくすれ違えるほど巾は狭く、傾斜の強いところもあったり、岩がむき出しだったり、砂で滑りそうなところだったりと、足元を見ながらゆっくり登れば、それはそれで変化があって、ひたすら続く道も退屈はしない。
山肌を斜めに登っては折り返し、又登っては折り返しと・・・どれだけ続けただろうか。
標高も高くなり、だんだん街の騒音も聞こえなくなってきた。
途中、下山する人たちとすれ違い、「こんにちは!」と声を掛け合えば、なぜか疲れも和らいでくる。私が下山するときなどは、連休初日とあってか、家族連れにも出会い、その荷物を一手に引き受けリユックを背負ったお父さんが、一番辛そうに息を切らしていたのが・・・どこか可笑しくも微笑ましかった。
登り初めてから40分過ぎたあたりで、汗ばみ始めたころにようやく山頂に到着。
この展望台に登り、遠くに月山も見える絶景に、しばし見とれていた。(冒頭の写真。)
山頂には、この千歳山に、今も語り継がれている「阿古耶(あこや)姫伝説」を示すこんな石碑があった。
帰り道を軽快に降りた私は、ふもとにある「千歳山こんにゃく店」で玉こんにゃくを頬張り
涼しく爽やかな風を受けながら、心地よい気分で自宅にもどった。
自宅から歩いて登山に向かえるこの環境に感謝しながら
私は、間もなく体感できるだろう・・・・あの「大井沢」の、朝日連峰を臨む大自然を思い出していた。