寒河江 “花咲かフェアーさがえ・08” |
今日の早朝、何時ものように新聞が届くよりも早く起きたのだが、暫くして又眠気が襲ってきて
二度寝してしまった私は、どうしたことかそのまま三時間も寝入ってしまった。
そのことが、今日の仕事の予定を半日狂わせてしまうことになり、山形市役所に昼一番に届けなければならなかった図面に向かい、私は午前中からパソコンに集中した。
思えば、県庁を退職した20代のころ、友人三人と共に設計事務所を立ち上げ、当時建設ラッシュだったのだろう営業のためのプレゼンの図面が、次から次に事務所に持ち込まれ
その期限を守りながら、仕事に結び付けようと必死で、私たちは徹夜しながら日々その図面を
こなしていた。
その時代に集中して鍛え上げられたお陰か、私の集中力が増した時のとスピードと正確さには
我ながら自信があった。
今日も、二度寝のお陰で少々急がなければならなくなった私は、何時もの集中力を発揮するも
流石に昼一番には間に合わず、図面を抱え勇んで市役所に駆け込み、届け終わったのは
夕方4時近くにもなっていた。
今日の仕事を何とかこなし・・・安堵した私は、市役所の駐車場から車を出し、そしてそのまま
天童市にある東北一の露店風呂を誇るあの日帰り温泉「ゆぴあ」に向かった。
流石に5~6時間も集中し、昼食もそこそこに図面に向かっていたら・・・疲れを感じたのだろうか
思わずこの温泉を思い出したのだ。
でもまだ4時、暗くなるにはまだまだ時間に余裕があることに気がつき、6月7日から始まるという
寒河江の、あの“花咲かフェアーさがえ・08“に寄ってみることにした。
勿論、ほぼ“花”の整備の済んだこの会場、まだ客は少ないものの、今日花を楽しもうとした
私には・・・充分だった。
そんな花の美しさに見とれながら、その広い会場を暫く歩くと、子供が遊ぶ芝が張り巡らされた
こんな小高い公園にたどり着く。
所々に、子供が通れるほどの土管が立体的に埋め込まれ、その芝の緑も美しいこの公園を
回るように歩きながら、色々な角度で眺めると、何故かとても美しく感じる場所がある。
私は、ここを訪れるたびに、いろんな角度から、その美しさを探そうとするように楽しんでいる。
(写真。)
そんな公園を通り過ぎ、この会場の歩道を、雄大に流れる最上川を眺めながら歩いていたら、そのところどころに、実をたっぷり付けた“さくらんぼ”の木があったことに、私は今日始めて気が付いた。6月に入ったばかりで、まだまだ色薄い“さくらんぼ”だが、たまたま私の手の届くところに偶然見つけた一粒を、ちょっと内緒で頬張ってみたら、その熟した“さくらんぼ”の独特の甘さと香りに包まれ、私は思わず
「美味しい~・・・!。」と独り言。
さすが「佐藤錦」、私は、間もなく“さくらんぼ”一色に染まるそんな時期が待ち遠しくなった。
整備された数々の花の群れとは別に、そんな“さくらんぼ”の木のそばで、さりげなく・・・小さく群れなすこのマーガレットの、その白と黄色のコントラストや、ほど良い花びらの大きさや、肩を寄せ合うように、爽やかな風にゆらゆら揺れるその姿は、会場に整然と飾られ、咲き誇る色鮮やかな花にも負けず・・・・
私は、とても美しいと思った。
帰りに、天童の日帰り温泉「ゆぴあ」で、あの東北一という露店風呂に、入っては上がり石に腰掛け、爽やかな風を暫く全身の肌で感じ、そして又入っては上がりと繰り返し、今日のあわただしかった一日の、その長く集中した時間から・・・私はようやく開放された。