“四ヶ村の棚田” |
親父のお墓参り、5年ぶりの高校時代の同級会、我がマンションの廊下から見えた私だけの「山形大花火大会」・・・・、それ以外は全て仕事となった私の一週間のお盆休暇だったが、お盆明けの昨日、予定通り図面を完成させ届けることが出来て、気持ちにも暫し余裕が出来た。
そんな時チャンス!・・とばかりに、以前より一度観てみたかった肘折温泉近くの四ヶ村(しかむら)にある“棚田”を見ようと、昨日は昼過ぎから勝手に休暇と決めた。
13号線を肘折温泉に向け車を走らせたが、昼食をまだ取っていなかった私は、まずは腹ごしらえと・・久しぶりに漆山の旧道沿にある「すゞき蕎麦」にハンドルを切った。
お盆を過ぎたといってもまだまだ暑さはきびしく、何か冷たいものを・・・と入ったその店内は、肌寒さを感じるほどに冷房が効いていて、さてさてそれならばと、「すゞき蕎麦」と言えばやっぱりあの熱々の「とり中華」と決めた。
芋煮汁のような和風のスープに、細いちじれ麺という独特の中華だが、麺の上にたっぷりと乗ったネギにニンジンとゴボウの細切のシャキシャキした食感がたまらない。同じスープに細いちじれ麺の変わりに蕎麦の入った、どこのお店にもある「とり蕎麦」もあるのだが、やっぱりこのスープには細いちじれ麺が美味しい。
「もしかすると・・・この肌寒いほどの冷房は、”鳥中華”などの熱々のものを食べていただこうという店の作戦なのかもしれない。」と、私はこの熱いスープまですっかり飲み干してからようやく体が温かくなった。
午後三時過ぎ・・というのに、次々と「鳥中華」を味わおうというお客が切れ間無く訪れ、流石に「すゞき蕎麦」である。
そんな昼食を済ませ肘折についたのは、夕方5時近くになっていた。
こころ弾ませ、“四ヶ村の棚田”という案内板に従いながら、曲がりくねった細い道をどんどん登っていたら・・・・・
突然車の正面に、その雄大に広がる“棚田”が現れた!。(冒頭の写真)「これだぁ~・・!、すごぉ~・・い!。」と、私はその場にすぐ車を止め、そして車を出て、私はその正面に立ちつくした。この急斜面に広がる“ひと”の営みの・・なんという美しさなのだろう・・・!。私はこの“棚田”を、歩いて暫く降りてみた。
出羽富士「鳥海山と、霊峰「月山」を望む「葉山」の麓「四ヶ村」、その歴史は鎌倉時代初期(1204年)の起源とされているというが、全国でも有数の豪雪地帯、その積雪は時には4mにまで達するという。
世帯数約100戸、人口約500人の山間のこの小さな集落に、厳しい自然と向き合いながら、その自然の恵みによって800年続けられている“ひと”の営みの見事さを思い、私はこの“棚田”に囲まれながら暫し感動していた。
日本の棚田百選に選ばれているこの小さな村「四ヶ村」には、現在棚田は120ヘクタールに及ぶのだと知った。
8月2日には、幻想的な「ほたる火コンサート」が行われたようだが、このコンサート、来年は必ず観に来ようと思った。(左はそのチラシ:ネットから)
そんな感動の余韻に浸りながら、温泉好きの私は、当然肘折の日帰り温泉に向かった。その肘折温泉が夜になれば、東北芸術工科大学の東北ルネサンスプロジェクトの地域活性化モデル事業として行われた「肘折温泉 –ひじおりの灯-」が、肘折温泉の町並みをよりいっそう彩る。
今日の最後に、アングルの違う雄大なこの”四ヶ村棚田”をもう一度!