"天童高原"~"コスモスベルグ" |
そんな千歳山登山の帰りの道端で見つけた可憐に咲く“コスモス”の、その僅かな風に揺れる姿がどことなく愛らしく、私は暫し足を止め、その揺れる姿をいろいろな角度で眺めていた。
“コスモス”・・と言えば、壮大に咲き誇るというあの「面白山高原コスモスベルグ」。
先日、私は久しぶりに訪れたこの雄大に広がる「天童高原」を、時々は車を降りて爽やかな風を感じながら、ワクワクする思いで私が始めて訪れることになる「面白山高原コスモスベルグ」へ向った。
「天童高原」を通り過ぎ、山の懐に下りていくように山道を下りると暫くして仙山線の「面白山高原駅」が現れた。面白山(北)・南面白山・小東岳・大東岳と、平日にもかかわらすリュックに登山靴姿の山を楽しもうと訪れた人たちの姿も見え、私の知らない「面白山高原」の魅力が伝わってくるようだ。
どこか懐かしさを感じさせる・・そんな「面白山高原駅」を通り過ぎると間もなく“コスモスベルグ”に到着。冬になれば、スキーを楽しむ人たちでいっぱいになるだろう、そんな『スノーパーク/コスモスゲレンデ』約7haの雄大なその斜面を被い尽くすように、色とりどりの“コスモス”が広がり、その光景は圧巻!。私は、ゆっくりとその“コスモス”を一つ一つ眺めながら、上へ上へと登って行った。
こんな美しい“コスモス”も、毎年種がこぼれて自然に咲く・・・と思っていた私は、毎年手作業で種を蒔いて育てていた・・ということを後で知り、その想像を超えるだろう作業を思い驚嘆した。
まず、コスモスの畑を耕すことから始まり、そして肥料を入れ床が出来たらようやく種を蒔く。
時には、台風や気候のせいで花が倒れたり散ったりする場合もあるのだという。
そんな時も地元で協力し合って、倒れたコスモスを一本一本起し、追肥を行い、そんな努力を幾度と無く積み重ねているのだともいう。そして、この“コスモスベルグ”周辺の草刈や草取りはもちろん、追肥、水撒きと、面白山のコスモスは、毎年こういった作業を地道に行っているからこそ、私たちは美しい“コスモス”を見ることが出来るのだった。
見事に咲き誇った・・そんな「面白山高原コスモスベルグ」をゆっくりと歩きながら、私は、あの道端に一輪だけ咲くピンクの「ベルサイユ」という可憐な“コスモス”を、何故か思い出していた。