東北芸術工科大学 “学園祭” |
「あっ・・!そうだ・・!」と、思い出したように取り出してきて、先日お客様からいただいた吟醸酒を、昨日、始めてこの器で飲んでみた。
この二つの器は、どたらも東北芸術工科大学の学生の作品だった。
先月、東北芸術工科大学の学園祭を訪れたとき、学生一人一人の作品コーナーがあり、陶芸だったり金属工芸だったり、服飾デザインだったりと、若さ溢れる素敵な作品が多く、即商品化できそうな作品も少なくは無い。
私は、この学園祭には毎年欠かさずに訪れているが、“ものづくり”の一人として、何時もたくさんの刺激を受け、そして満ち溢れるそのエネルギーをたくさん授かってくるのだ。
先日、そんな数々の作品に見入りながら、ふと、この小さな“錫(スズ)のぐいのみ”に目が止まった。
このシンプルな形と、アルミでもステンレスでもない、何とも言えない素敵な質感の金属。
私はそれを手に取り、いろいろな方向から眺めながらその肌触りの良さに暫し足を止めていた。
そこへ作者である学生が、「錫は、金属の中でも、人体に与える影響の最も少ない金属なんです。」と声を掛けてきた。私が「この質感と・・カタチ・・いいよねぇ~・・!。」というと「ありがとうございます・・これ・お酒がとても美味しくなるんです・・!。」そんな会話をしながら、その学生の輝きと爽やかさに引き込まれながら、私の手の中に収まっているこの器に愛着を感じ、是非この器でお酒を飲んでみたくなった。 (値段は・・確か3.000円)
更にこの日、芸工大正面入口のすぐ脇に、たくさんの様々な素材の作品がテーブルに並べられ販売されていたその中に、陶器と言う・・シンプルだが何ともいえない味のあるこの器に、私は何故か又も足を止めた。小皿・・というよりも・杯・というイメージのこの器は、口を付けるだろう“口縁”部分が内側に丸く反った形が何とも素敵で、それにこの釉の色と質感!。この作品を作った学生には会えなかったが、是非あの“錫のぐいのみ”と一緒に自宅に持ちかえりたくなったのだった。(1.200円)
“錫のぐいのみ”は、金属でありながら、口当たりが良く、外側はつや消しの質感だが、内側は鏡面に磨かれているために、お酒に艶が増した感じがしてとても素敵だった。何よりもその柔らかな手作り感がとてもよい!。・・それに作者の言うとおりに、お酒がとても美味しくなった!?
“陶器の杯”は、あの朱塗りの杯に似て、酒の表面がキラキラした輝きがとてもお似合いだ。その手触りの良さと“口縁”の口触りも・・何とも心地よい。
私は昨日、そんな学生の感性輝く作品を・まさしく・・体で味わってみた。