“千歳山” と “山つつじ” |
私、「綺麗な月山は何時も見ている気がするけれど、今日の朝日連峰・・綺麗ですよねぇ~・・・。」
男性、「ん~・・、そうだねぇ~・・!、でもまだまだ綺麗に見える時があるょお~・・。」
この男性は、千歳山は常連のようだ。
私、「え・・!それは・・・今度是非見てみたいですねぇ~・・。」
男性、「それよりも、大井沢のあるところから見える朝日連峰は・・それはそれは素晴らしい・・!。」
そんな会話を続けていたら、朝日連峰が見えるというその場所は、私が毎年訪れる大井沢の絶景ポイントだったことに会話は行き着き、私は同じ場所で同じ大自然の光景に感動していたことに、何故かとても嬉しくなった。その後、本格的な登山を続けていると言うこの男性と、私もかつて踏破したことのあるその朝日連邦の魅力など、会話に花が咲いた。
男性「君が泊まった大朝日の山小屋は、今は新しく建て直されて、近くにキャンプ場も出来たよ!。」そんな話を聞いていたら、死ぬほど苦しかったけれど、忘れなれない感動の体験となったあの時の登山を思いだした。そして、悠然と広がる美しい朝日連峰をじっと眺めていたら、又是非登ってみたいと思った。
それからと言うもの、お互い正面に朝日連峰を眺めながら山の素晴らしさや、大自然の魅力などを語り合い、暫くの間二人同じ感動を共有し、とても爽やかな時間を過ごすことが出来た。
私は、少々汗ばんだ体が冷っとするほどに冷えてきたので、ジャンパーのファスナーを首まで絞めなおし、「体が冷えてきたので・・・お先に・失礼します。」といって 、階段を下りようとしたとき、今度は、これまで何度もすれ違い挨拶を交わしていたある女性が展望台に登ってきた。彼女もこの男性と知り合いになったようで・・・・、なんだか「千歳山登山仲間・・」といった感じだろうか、私もちょっぴり仲間入りさせていただいた感じがして・・又も嬉しくなった。
今日の早朝、我がマンションのベランダに立ち、昨日とはうって変わって小雨降る霧に霞んだ千歳山を眺めていたら、昨日の男性が言っていた言葉を思い出した。
「この山頂も丁寧に下刈りされてしまって、あの綺麗な“山つつじ”はもう見られなくなったかも知れない・・!」と、千歳山が山形市によって丁寧に下刈りされた状況を知りながら、“山つつじ”のことに気がつかなかった私は、山頂から周りを見渡し、残念そうに語っていた彼の表情が忘れられず、彼の言葉を複雑な思いで又思い出していた。