「千歳山」 “美しき竹林” |
冬になっても私の千歳山登山のペースは変わらず、今も3日に一度は登頂している。
でも、告別式や仕事に追われていた昨今、さすがに登山・・という時間の余裕が無く、運動不足の私の体は、無駄が無く切れの良い緊張感みなぎる体のパワーを取り戻してほしい・・と、訴えているようだ。
そんな自分の声を聞きながら、先日、一週間ぶりの登山となった。
最近、珍しくも降り続いた雪の、その量が多くなるに従って、すれ違えないほど登山道も狭くなり、ようやく一人が歩ける幅だけが確保されている。登頂を目指す者と下山する者とが交差すると、脇の新雪に足を踏み入れ、どちらかが道を譲らなければならない。そんな狭いレールのような登山道を、私は何時ものように自分のペースで坦々と登り続けた。
時々近くで、ザァザザザァー・・・と、松の枝に積もった大量の雪が落ち、その枝が揺れると同時に雪煙が上がった。私の真上に落ちはしないかと、思わずジャンパーのフードを被った。
途中の稲荷神社近くの竹林でも、落下する雪の音と共に竹が揺れ雪煙が立ち上がった。・・・思わず振り返ったその風景は、何時も見慣れているはずなのだが、竹垣と竹の構図や、スッ・・と延びたしなやかな竹の青さと雪の白さのコントラストも美しく、私は思わず立ち止まり、そしてデジカメ。
そんな風景を暫く眺めた私は、おもむろに先へ先へと続く登山道を又坦々と登り続けた。七合目から見える何時もの街の様子は(冒頭の写真)、最近降り続いた雪に染まり、雪国ならではの真っ白な景色に変わっていた。この真冬の絶景を、さて、この冬私はあと何回見ることが出来るのだろうか。冷たいが澄んだ爽やかな空気で思いっきり深呼吸をして、私は、又改めて登り始めた。
そして、一週間ぶりとは言え軽快に登頂を果した私は、ゆっくりと何時もの山頂展望台に上がった。
どうやらこの日も何人かの登山客が既に登頂を果していたようで、この展望台をあちこちと歩き回った新しい靴跡に、何故かほっとするような穏やかな気持になった。ちょっと汗ばんだ体で息を静かに整えながら、私は山頂ならではの真冬の絶景を見詰めていた。。
「こんにちは!」と、この日すれ違った人は数人と、さすがに雪が深くなるにつれ登山客も少なくなってきたようだ。
さて、昨日から暦の上では春!、今日も青空が広がり、太陽の光りも眩しい。
又、暫し晴れ渡った冬の登山を楽しむことにしよう・・!