“コンパクトなアイゼン” 効果抜群! |
窓の外を見れば、あたり一面真っ白になった風景を、もっともつと白く染めるかのごとく、横殴りの吹雪は続く。
でも我慢の限界が訪れた!、どうしても登らずにはいられなくなり、たかが吹雪きなぞは登山するにはどうってことは無いだろう・・と自分に言い聞かせ、手には手袋と一本のストックを持ち、フードの付いた厚手のジャンパーに、頭には帽子を被り、腰のベルトには、先日手に入れたコンパクトアイゼン(写真)をぶら下げ、深長靴姿で早速自宅マンションを飛び出した。
10分ほどして、登山口である何時もの大鳥居の正面にたどり着いたのだが、さすがにその階段に積もった雪の量に「降ったなぁ~・・・!」と、思わず独り言。
私は、階段に腰を掛け、早速持ってきたアイゼンを深長靴にセットし、おもむろに階段を登り始めた。20センチほど積もったまっさらな雪に、まだ数人の足跡しかなく、私は、今年初めて登山道に積もった新しい雪を踏みしめながら登山を続けた。
そして、深長靴に初めて装着したアイゼンの効果を確かめるべく、足の裏全体で雪を踏みしめながらゆっくりと登り続けたのだが、さすがにアイゼンの効果!、雪をガッチリと掴む感触が足裏に伝わり、すべり落ちる・・・という不安は全く無い。それにアイゼンのゴツゴツとした違和感も全く無く、これならば、今後どんな雪が降ろうとも、この千歳山登山を諦める必要などはなくなった。
(土踏まずあたりに5本の爪が、しっかり雪を捉えた跡が残った:上写真)
暫くして、雪も小降りとなり、先ほどまで鉛色だった重い空も、何と太陽が顔を見せたではないか。目の前の光景は、真っ白な雪がよりいっそうコントラストを増し、その白さが眩しくさえ感じた。やっぱり私は晴れ男だったのだと、又改めて自我自賛。徐々に青空さえ広がっていった。
それにしても私のこの登山の出で立ち、専門用具の登山靴一つ持たず深長靴・・という私は、身に付けるものは全て持ち合わせのものだけで、マンションのガラスに映るそんな自分の姿が、登山というよりも農作業にでも出掛けるかのごとき出で立ち、思わず自分で笑ってしまった。
まぁ~・・それはアイゼンのように、本当に必要だと思うものを徐々に揃えていけば良い・・・と、“カタチ”から入らず、、やはり”やま”の魅力を体で受け止めてから道具に入る・・ことにしたい。