2009 “東北芸工大 卒業/修了研究・制作展” その② |
左の写真、この、まるでアコーディオンのような“カタチ”、これは紛れもない行燈にも似た照明器具なのだが、簡単に折りたたむことによって持ち運びが出来る・・という優れもの。そんなアイディアと機能性もさることながら、和紙を通した光の何と柔らかなことか。
そして、学生が生み出した照明器具(右の写真)をもう一つ。LED(発光ダイオード)を光源とした、このデザインもシャープなスタンド。光源を支えているこのピアノ線のような華奢な本体に、軽く手を触れるだけでON・OFFを切り替えることが出来る。
これらの発光素子は発光層が有機化合物から成る発光ダイオード(LED)を構成しており、有機化合物中に注入された電子と正孔の再結合によって生じた励起子(エキシトン)によって発光する。日本では慣習的に「有機EL」と呼ばれることが多い。
これを制作した学生から、とつとつと、そんなような説明を受けた気もするが、ちんぷんかんぷん・・!。その原理はさておいて、この無駄のないシンプルな“カタチ”の美しさ、それに何といってもすぐにでも商品化出来そうなこの完成度の高さに驚嘆した。
そしてユニークなのがこちら。
登山やハイキングで背中に背負う、どこにでもありそうなリュツクなのだが、背中に触れる部分が二重構造になっていて、広げればこんな風に背もたれの付いた座椅子に早代わり。登山などで疲れた体を横たえるには充分な構造。きっと、これを制作した学生は、実際に登山を経験しアイディアがうまれたのだろう。
その後、「生産デザイン科」を後にし、今度は洋画や日本画や版画といった、学生の芸術に触れようと、画廊となった教室を訪れた時、私には嬉しい出会いがあった。
私は、今年もそんな場面に偶然出くわしたのだが、その批評を受けていたのが、我が劇団の今年の公演に出演してくれた青年だったのだ。彼は、演劇が好きで、秋田の「わらび座」に就職が決まっている。そんな役者としての才能の他に、版画の才能も併せ持っていることに驚き、その自由自在な表現力に驚嘆した。。そして、・・・その後暫し彼と立ち話。版画と演劇、感性を養うにはどちらも素敵な表現手段、どちらも捨てずに頑張ってほしいと彼にエールを送った。彼はまだ22歳・・!。将来どんな役者に・・そして、どんな版画家になっていることだろうかと、”若さ”・・・という無限な可能性を持つ彼に、期待が膨らむ。