(上の写真はネットから)
蕎麦やうどんには“天ぷら”がよく合い、私も大好きだが、かといって、天ぷらの具の海老や高価な食材を食べたいわけではない。あの天ぷらの衣と・・中の具の食感がアクセントになって美味しくいただけるのだが、・・場合によっては「たぬきそば」などのように、具のない揚げ玉だけでも充分に美味しい。そして、何故「たぬき・・・」というのだろうか・・と思えば、海老やイカなどの・・「タネ」・・を入れずに衣だけで揚げた天ぷら、・・つまり・・「タネ抜き」が訛って「たぬき」となったと承知している。ちなみに関西などでは、“天かす”を乗せたうどん・そばは、「ハイカラうどん」「ハイカラそば」などと呼ばれているのだという。立ち食い蕎麦店などでは、「天かす」が、調味料と同じ扱いでカウンターに乗せられていて、無料で入れ放題の店が多い。そんな「天かす」は、所を選ばず楽しまれているようだが、地域によっては、「天かすうどん」「天かすそば」、または「揚げ玉うどん」「揚げ玉そば」などと呼ぶ所もあるという。
最近良く、蕎麦屋さんのメニューに、「げそ天蕎麦」というメニューを良く見かけるようになったが、海老などの「天ざる」などよりも格段に安く、それにあのイカの食感が食欲をそそり、私はとても好きだ。
ところが、「げそ天」は、蕎麦やうどんと付け合せるものだと思っていたが、何やら、ラーメン激戦区の山形市内にも、以前から「げそ天ラーメン」なるものが現れていた。私は、その「げそ天ラーメン」という、どう想像してみても興味が沸かず、気に止めることもなく通り過ぎていたのだが、最近になって連日駐車場を埋め尽くすその様子が気になり、それならばと、私は始めてその店に入ってみることにした。その店は、山形市内の287号線沿いにある「有頂天」。店内は、昼時間を過ぎているにも関わらず、大勢のお客で賑わっている。私は、メニューを眺めながら、店員さんにオススメメニューを聞き、早速人気だというその「げそ天辛みそラーメン:850円」を注文した。お客が多いにも関わらず、それは以外に早く私の目の前に届いた。(写真)
小ぶりなどんぶり・・ということもあって、なみなみに入ったみそラーメンに「げそ天」が、どんぶりからはみ出している。・・なんとも不思議な光景だが、私は、スープ・麺・げそ天・・と、一つ一つゆっくりと味わいながらも・・いっきに食べ終えた。もちもちした麺にこってりとした酷のあるスープと、この辛味噌が良く合いとても美味しい。そこに、この「げそ天」の新鮮な食感が加わり、天ぷらの衣がスープに溶け込み、なおこくが増した感じではある。でも、「げそ天」が入らずとも、「みそラーメン」そのものが充分に美味しいし、私には、むしろこの「げそ天」に、かえってしつこさを感じてしまった。食べ終えていながらも、又改めてメニューを眺めてみれば、普通のラーメンメニューも充実しているし、もともともとラーメン自体が美味しいお店だったのだろう。人気でオススメのメニューだというこの「げそ天辛味噌ラーメン」は、その話題性とメニューに意外性を与えているのにはとても効果的に思えたが、私はやはり、「げそ天」は、蕎麦やうどんで味わうことにしたい。