私がタバコを止めてからもうどのくらいなるだろうか、・・とは言っても、そう簡単に止められたわけではない。当時、世界の各地へ旅行を繰返していた頃、飛行機は勿論禁煙。各国の空港でも、喫煙可能なスペースは限りなく少なく、やっとこさホテルに着いた十数時間後に、ようやく至福の一本。そんな思いをするのであれば、いっそ、止めてしまいたい・・というのが禁煙の動機だった。その後、禁煙に成功するまで確か、3~4回は失敗を重ねたという記憶がある。あるときなどは、せっかく半年も止めておきながら、友人との酒の席で、酔った勢いでたった一本いたずらに吸ってしまったお陰で、その帰りに自販機でタバコを買ってしまったらしい(覚えていないので)。次の日、スーツのポケットに数本なくなっているタバコが入っていた・・というわけである。その時の自分を振り返るとき、あまりの情けなさを今さらながら痛感する。勿論、成功したと思っていたこの時の禁煙は、半年後に見事に失敗に終わったのだった。それが、“覚せい剤”となれば、その依存度はどれほどなのか、その受刑者の再犯率が60%と聞くとき、それは勿論タバコの比ではないのだろう。
連日、テレビ画面に登場する、覚せい剤取締り法違反で起訴されたタレント「酒井法子」被告。昨日保釈され、警視庁東京湾岸署から出てきた彼女の姿からは、そんな“覚せい剤”という薬物に侵された悲惨さは感じなかった。むしろ、報道陣の前で、タレントとして身に付いてしまい、無意識に出てしまうのだろうか、口角を上げ笑みにも見える彼女の表情へのメディアの批判を聞くとき、むしろ、タレントだからこその別の意味での惨さを感じさせた。私は、女優としての彼女の涙を、疑りたくはない。
(画像は全て今日の朝日新聞から。)
一方、鳩山首相の昨日の言葉の
、「首相官邸にいると窒息しそうだ。国民の顔が見えなくなるような気がする。出きるだけ外へ出て動き回る首相でいたい。」かつて首相からこんな言葉を聞いたことがあっただろうか。
「首相官邸」などという、画像でしか知らない私でも、鳩山首相の言う・・「窒息しそうだ」という感覚はどことなく解るような気がした。政治家に最も必用だったのは、その視線が何処に向いているのか、そして常に国民の生活を知ろうとすること・・、私は、政治とは、そこからでしか世界と向き合えない気がしていた。
出迎えを拒否した「赤松農林水産相」。初登庁に花束や拍手がなかった「長妻厚労相」。脱官僚を声高にする「官直人国家戦略相」。140以上ものダム建設を見直すと名言した「前原国交相」。歴代二位という、、支持率71%のこの数字は、これまでの政治とは明らかに違うこの民主党に、私たち国民からの期待度の表れなのだろう。
貧困層が増え、自殺者が3万人を越え、”第3次覚せい剤乱用期”を迎えている・・というこの現象は、タレント「酒井法子」被告はともかくも、決して社会構造と無関係ではないだろう。政治の世界の、国民に見えなかったものが次々と見え始め、だからこそ、国の方向を決める鳩山首相のそのビジョンによって、私は、この国日本の“社会再生”に繋がらないものかと・・ひたすら夢見るばかりだ。