さすがに早起きの私でも、午前3時20分にセットした目覚まし時計の音を、私は睡魔の中で無意識に止めてしまったようだ。そして、はっ・・と目を覚ましたときには3時45分を過ぎていた。やばぁっ・・と、私は、電車にでも乗り遅れるかのように、あわてて飛び起きた。そして、そのままテレビのスイッチを入れれば、ワールドカップの“デンマーク対日本”の試合は、まだ・・0対0・・。よしよし、と、私は椅子に腰掛けようとしたその瞬間、本田のフリーキックがゴールのネットを揺らした。やったぁ!!!~・・、と、私は思わずコブシを握り締めた。そして、終わってみれば・・3対1・・で快勝!。良かった!・・良かった!・・と、私は、久しぶりに味わう突き抜けた喜びを感じた(上:ネットから)。午前5時半、テレビではどのチャンネルもサポーターが群集となって、警察が繰り出す異常なまでの歓喜の騒ぎだ。確かに美しくはない光景だが、ここのところ、政治も経済も・・、閉塞感漂う先の見えないこの国日本。こんな時くらいは・・好きなだけ、体の底から喜ばしてほしいものだ。私は、そんな嬉しさのまま、何時ものように又ベランダに出て、東から登ったばかりの太陽が照らし出す千歳山の緑の鮮やかさを眺めていた。
千歳山・・と言えば昨日、又不思議な光景を見た。朝からパソコンに向っていると、半分だけ開けたサッシの網戸ごしに、ザワザザザ・ザ・・という音が聞こえて来た。外は明るいのに、又雨か~・と、おもむろにベランダに出てみれば、それは雨ではなく、正面の千歳山を覆う木々の葉が、強風で揺れる音だった。そして、何故かモコモコに揺れる無数の葉の不思議な動きをじっと見つめていたら、まるで巨大な生き物のようにも見えてきた(上:動画でなければ伝わらないのだが・・)。それは、たえず形を変えながら空を飛ぶ“鳥の群れ”・・の様にも見え、紅茶にミルクをそそいだ時のあのモコモコのようにも見え、透明感溢れる水底に堆積した細かな砂を、地下水が湧き上げるときのモコモコにも見えた。なんとも不思議な動きをするものだ・・と。でも、それが、見えるはずがない強い“風”の“カタチ”・・なのだろう。そんな山肌から聞こえて来る、サワサワ・・ザワ・サワ・・という音と共に、時々髪を揺らすほどにちょっと強いがとても爽やかなこの風は、なんと気持ちのよい風なのだろうか。半袖の腕の肌にとても心地よい。それにしても、我がマンションは、山肌の木々の音が聞こえるほどに、千歳山にこんなに近かったのだと、その環境に改めて感激である。
さて、そんな日は暫しパソコンから離れ、外へ出たくもなってくる。そういえば、蔵王の“お釜”も、ここのところ見ていないなぁ~・・と、ネットでリアルタイムな“お釜”の状況を探ってみれば、下界は晴天なのに、何やら小雨が降り、それに霧が立ち込め“お釜”は見えていないようだ。ならばと、アウトドアは諦め、あの、建築家の巨匠「ル・コルビュジェ」が絶賛していたという画家、「アンドレ・ボーシャン展」を観に、「福島県立美術館」に向うことにした。
(下:1944年、『トゥールの大道薬売り』:アンドレ・ボーシャン。図録より)
その感動は、後日、又このブログで。