満天の星空に・・・蛍が! |
音もたてず、そっと恋心を燃やす“ホタル”は、鳴くことで思いを伝えられる虫よりも、やはり哀れなのだろうか・・・?。それに、「蛍雪」・「蛍火」・・などの言葉に加え、人の”こころ”の”カタチ”を、蛍に例え表現されることの、何と美しいことか!。
「宮沢賢治」の故郷、岩手県は沢内村にある「沢内銀河高原ホテル」(上:ネットから)で、賢治の「銀河鉄道の夜」を思い起こさせるような、そんな体験をしたのは、つい先日のことである。
♪ ほーほー ほたる来い
あっちの水は苦いぞ
こっちの水は甘いぞ
♪ ほーほー ほたる来い・・・
素足に下駄を履き、浴衣を着て、手には団扇を持ち、そんな歌を大きな声で歌いながら、家族と一緒にあぜみちを歩いたのは、どれほどに幼いころだったろうか?。そして、・・20年?・・いや30年?、私は、もうどれくらい“蛍”の姿を見ていなかっただろうか。そんな時、「岩手県立美術館」の「黒田清輝・展」を観ようと、周辺のホテルを検索すれば、夏休みのこの時期に、「蛍の観察会」・「夏の星空観察会」などという、そんなホテルに出会えば、私も子供たちに混じって是非体験したくもなる。そんな「観察会」で、真っ黒に日焼けしたキラキラと輝く瞳のたくさんの子供たちと一緒に満天の星空を見上げ、私は、夏の夜に繰広げられるそんな幻想的な世界に浸っていた。
「平家」打倒の夢に破れ、無念の最期を遂げた「源頼政」の思いが、夜空に高く飛び舞う蛍に喩えられた「ゲンジボタル」(源氏蛍)。でも、私が見た“蛍”は、源氏と対比する意味で名づけられたという、「ゲンジボタル」よりも少し小さい「ヘイケボタル」(平家蛍)だったようだ。
あのおぞましい記憶が蘇る「原爆の日」から一日経った今日、早くも”立秋”を迎えた。
私は、今度は何時”蛍”に出会えるのだろうか?。