『ALWAYS 三丁目の夕日』 |
私が、まだ幼いそんな子供のころ、「綿工場」の経営が順調だったからだろうか、我が家に始めてモノクロの「テレビ」・・とやらが登場した。相撲や力道山の活躍するプロレスなどは、まるで劇場のごとく何時の間にか近所の人たちが集まり、とても賑やかだった光景を思い出す。
だが、順調だった「綿工場」も、”マットレス”の登場などもあり、我が家はどん底の生活に突入した。
継ぎはぎだらけの、まるでパッチワークのようなシャツを着て、素足にはゴム靴を履き真っ黒になって走り回っていたのは、私が小学生の昭和三十年代だった。そんな時代、小さな私の目には、回りの大人たちがとても逞しく見えていた。生きて行くだけで精一杯なこの時代、大人や子供の隔てなく、常に直球で語り合っていた気がする・・、いや変化球など知るよしも無い純白の幼い“こころ”は、大人たちによって染まっては消え、消えては又染まった。前しか見えない歓喜するそんな幼い“こころ”は、時には傷つき・・、時には打ちのめされ・・、そして時には悲しみのどん底に沈みこんだ。でも、そんな小さな“こころ”でも、決して折れることはなかった。むしろ、漠然とした希望さえ見えていた気がする。
(下、ネットから)
第3弾、「ALWAYS三丁目の夕日'64」」は、一週間後の2012年1月21日(土) 全国東宝系でロードショー。