新潟紀行① ~ 国指定重要文化財 『渡邊邸』 |
“新潟の建築探訪旅行”の、まずは最初に訪れたのがこの 『渡邊邸』 でした。
それは、113号線で小国を通り過ぎ7号線の少し手前の「関川」にあります。
今はバイパスが出来ていて、旧道沿いの観光地として整備された環境にありました。
この建築、大分前に訪れたときの感動を鮮明に記憶しています。
小屋組の巨大な梁で組み合わされた大空間に、天窓の十数メートルの高さから
ほのかな光が差し込んでいて、それが、囲炉裏の煙にかすんで見えた・・・
そんな巨大で魅力的な空間が、今回はなぜか以前にも増して・・もっと違う迫力を感じました。
贅沢な木の素材を惜しみなく使用し、正確で見事な職人の技。
現在にたとえれば「総合商社」だったという『渡邊邸』の、はかり知れない財力が生んだこの建築、
今後も変わる事なく、しっかり維持されていくことを祈るばかりです。
ただ・・・桁行き35.1メートル、梁間17.8メートというこの小屋組み
何故か開いていなかった天窓、差し込むその光を体感出来なかったのがなんとも残念。
囲炉裏の煙の記憶は当時と同じで、そのほのかな“炎”の揺らぎが
この大空間を引き締めていました。
そして外に出て庭を通り、五つの蔵の絶妙な配置に、以前感じなかった美しさを感じ
私の、又新たな発見になりました。
案内の人に教えていただいた、五つの蔵が一望できる唯一のスポット・・・がこの写真です。
その被害の大きさを想像させてくれます。
旅行の最初に訪れたこの建築に、期待通りの感動がありました。
『渡邊邸』は、平成7年に、宮尾登美子の長編小説「藏」を
NHKでドラマ化した時のロケ地としても有名。
(余談ですが、この時の“松たか子”ういういしい美しさがあります。)
『渡邊邸』の門前でのロケ風景。
『蔵』
大正から昭和へ、今に似た不況の時代背景の中で、
病気のため失明する運命にある美しい少女「烈」(松たか子)
常に彼女を見守り、支える叔母の「佐穂」の、相反する立場と性格の
二人の女性を軸に、戦前の日本の社会の一員ともいえる「家」を多彩な
人間像と共に描いた大型女性ロマンである。 ネットから
近くにある 『関川歴史資料館』にも翌日の夕方に足を運びました。(建築家 香山壽夫 設計)
その、屋根の木場葺きの上に載せられた玉石が「渡辺家」を彷彿とさせます。
そして初日の今日は、空は雲ひとつない晴天です。(やはり私は晴れ男なのでしょうか)
さてと・・・・次は新発田市内にある、安藤忠雄の「学校建築」です。
どんな空間が待っているのか・・・・・。