東京その③ “デザイナー「三宅一生」” と “ミッドタウン” |
今話題のあの「東京ミッドタウン」の建築空間もさることながら、私は以前から、その「東京ミッドタウン・ガーデン」の中にある・衣服デザイナー「三宅一生」の、一枚の布を自由に操るデザインコンセプトに基づき、あの安藤忠雄設計の、まさしくその一枚の布が覆いかぶさるような屋根が印象的な「21-21 DESIGN SIGHT」に興味があった。
それに、山形は酒田の「平田牧場」や、和菓子のあの「とらや」がお店を構える地下1階も
是非訪れてみたいと思っていた。
「東京ミッドタウン」は、「国立新美術館」と「六本木ヒルズ」と三角形を作る位置にあり、その巨大な高層ビルは直ぐに目に付く。
(写真の下の黒いのは彫刻。)
私は、全長150m、高さ約25m、4層吹き抜けの大空間を体感しながら、日本の老舗や有名店の並ぶ、「ガレリア」(地下一階)を訪れた。
まず目に入ったのが、創業が室町時代までさかのぼるという、日本屈指の老舗「とらや」。
この、店舗の内部が見えないほどに大きな暖簾が外観のイメージを作っていて、それは、とてもシンプルだが印象深い。
内部は、白を貴重に上品な内装で、まるで宝石箱のようなガラスケースに、季節の「羊羹」が色とりどりに並べられ、あの竹皮に包まれた馴染み深い「羊羹」のイメージは、このお店には無い。
店舗スペースとは別に、「唐紙と和菓子展」として、まるで画廊のような空間も併設され、「虎屋」17代の歴史と、味はもちろん、その美に対するこだわりを感じさせる。
「伝統とは革新の連続である」
という会社の信念も伝わってくる。
次に、その間口もたっぷりとした「平田牧場」が現れた。平田牧場が生産するブランド豚肉「平牧三元豚」や惣菜やお弁当などが店先に並ぶ。豚肉料理が食べられる店内では、評判の「とんかつ膳」や「カツ丼」などの飲食も提供される。お店の入り口には、昼時間ともあってか行列が出来ていて、その人気振りがうかがえた。私も是非食べたかったのだが・・・断念!この「平田牧場」は、この「東京ミッドタウン」の他に、銀座松屋店、名古屋名鉄店などに店を構えるというから、改めてその実力を感じた。
そして、その通りとの仕切りやガラスも無く、まるで、ドラマの撮影を見ているような雰囲気の「ABCクッキングスクール」。1985年、静岡県藤枝市のあるビルのワンフロアからスタートしたというこの「ABCクッキングスクール」は、「友達と遊びに行くような、ごはんを食べに行くような、そんな楽しくて気軽な場所」をコンセプトに、女性専用で年会費40.000円前後という。・・・その値段はどうなのだろうか?
それにしても、まるで、「見られたい」というようなファッション性が際立ち、学ぶ生徒も輝いて見えた。
これは、料理教室の全く新しいスタイルなのだろう。昨年宮城県名取市にOPENした、巨大ショッピングセンター「ダイヤモンドシティー・エアリ」にも、テナントとして出店していて、そのファッション性に驚いたのを思い出す。
そして、あのショコラティエ・フランス「ジャン=ポール・エヴァン」
「表参道ヒルズ」のお店と比較すると、その風格は感じるが、どこにあるか解らないほどに、シンプルなこの外観。店員が入り口に立っているが・・・必要なのか?・・ちょっと入りづらい。
それにしてもあのきめ細かな食感や、解けるような柔らかさ!
この、限りなく深みのある“チョコレート”に感動すら感じる。
右は、国際チョコレートコンクール優勝や
フランス国家最優秀職人賞 [M.O.F]受賞
その他、数々のタイトル保持者である・・
その「ジャン=ポール・エヴァン」。 (ネットから。)
この写真は、「ジャン=ポール・エヴァン」の近くにあった同じチョコレート店。
化粧品店のように見えるこのチョコレートの、シンプルでカラフルなカタチと色、食べる前にその美しさを見て楽しめるチョコレート!・・私はそんなお店にも目を奪われていた。
あの名取のダイヤモンドシティーや昨年訪れた表参道ヒルズも同じ吹き抜けの構造だが
この「東京ミッドタウン」の決定的な違いは、一見、どこにどの店があるのかわからないほどに
通りに対して全て統一されたこの看板とファサード。
そして、「虎屋」から「ジャン=ポール・エヴァン」まで、この「東京ミッドタウン」の
まさしく「都会の上質な日常」・・・という基本コンセプトを、私は肌で感じた。
満開の桜ごしに、あの「21-21 DESIGN SIGHT」が見えた。
安藤忠雄の建築の、いつも輝く切れの良さを目の当たりにし、私は、その内部空間と共に
そこで行われている「第3回企画展・三宅一生ディレクション“21世紀人”」を鑑賞する。
(下は、そのチラシより。)