
(登山道に堆積した枯れ葉は、様々な同系色に色付き、じっと見つめても飽きないほどに美しい。)
先日の日曜日。
天気予報は雨ながら、朝から我が家のベランダに出ては空を見上げ、千歳山に登るチャンスを伺っていた。だが、冷たくてとても強い風と共になかなか雨は上がってくれない。暫くたって、おやっ!・・日差しが差し込んでいるではないか!・・と、又勇んでベランダに出てみれば、それでもまだ雨が、太陽の日差しにキラキラと輝きながら落ち続けている。「このくらいの雨なら・・」と、昼近くになって私はとうとう我慢出来ず、おもむろに登山用の防寒具などを身に付け、そして背中のリュックには折りたたみ傘を忍ばせ我がマンションを出た。・・・その途端、私はやはり“晴れ男”なのだろうか?、その数分間で雨は見事に上がっているのである。
その日、私は、何時もの登山口から何時ものように、そして、何時ものリズムで登り始めた。深長靴の足元では、雨を吸い込んだ堆積した枯れ葉が、ピチャ・ピチャと音を立てている。それにしても・・いゃぁ~・・寒い!、ジャンパーとシャツの間にセーターが必要だったかと、暫しその寒さに凍えるが、すぐに体が火照りジャンパーのファスナーすら引き降ろしたくなるほどである。

登山道は、もうすっかり色付いた葉を失い、むしろ、ゴツゴツした岩が存在感を増し、冬の千歳山に模様替えである(上)。山頂近くになって、ポツポツ・ポツポツと、とうとう雨か?・・と思うも、その音は小さな雪粒の“あられ”が枯れ葉に落ちる音だった。その雪粒は枯れ葉に落ちて跳ね返り、私の足元まで転がって、そして直ぐに消えてなくなった。

山頂展望台に立てば、遠くに澄み渡った青空が見えているのに、私の頭上では今にも雨が落ちそうな・・、墨で刷いたような、そんな鉛色の空が広がっている(上)。さて、雨が落ちる前に早々に下山することにしよう。

石の階段に散る紅葉の葉のこんな光景を目の当りにすれば、私は・・・やはり立ち止まってしまう。